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今日はニュージーランドの電力に関するニュースを紹介します。
先月、第40代目の首相であり世界でもっとも若い国の女性リーダーでもあるJacinda Ardernが先週、2035年までに電力を100%再生可能エネルギーに切り替えると発表しました。
そこで今回は現在のニュージーランドがどのくらい再生可能エネルギーを使って発電しているのかなどについて紹介していきたいと思います。
現在のニュージーランドの発電事情
現在、ニュージーランドでは約80%が再生可能エネルギーを使って発電しています。
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ちなみに「再生可能エネルギーとは何?」ということを関西電力のホームページでわかりやすく説明されていました。
再生可能エネルギー(Renewable Energy)とは、石油や石炭、天然ガスといった有限な資源である化石エネルギーとは違い、太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーのことです。その大きな特徴は、「枯渇しない」「どこにでも存在する」「CO2を排出しない(増加させない)」の3点。
ニュージーランド全体でどのエネルギーを使って発電しているのか調べてみました。
現在、ニュージーランドは上でも触れた通り再生可能エネルギーで80%発電しています。その内訳は60%が水力発電。そして15%が地熱発電。残り5%が風力発電です。正確にはそれ以外にも海の波の力を使った発電などありますが、全体で見ると発電量は大したことありません。
そして全体の20%が石炭や石油、天然ガスを使った化石燃料(化石エネルギー)による発電です。
ニュージーランドは以前から「再生可能エネルギーによる発電の割合を増やす」と公言し、2007年には「2025年までに再生可能エネルギーによる発電を90%まで高める」と発表していました。
そして先日政権が変わり、首相のJacinda Ardernは「2035年までに再生可能エネルギーによる発電のシェアを100%にする」と発表しました。
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ちなみに他国は?というと、スコットランドは現在約50%の電力を再生可能エネルギーがまかなっています。そして2020年までにそれを100%にすることを目標にしています。またフランスは2040年までに化石燃料を使わなくすることを目標にしているそうです。
再生可能エネルギーの問題点
再生可能エネルギーはそのエネルギーが枯渇しないこと、Co2を排出しないクリーンな電力であることが大きなメリットとされていますが、逆に再生可能エネルギー100%に移行するにはいくつか乗り越えなければならない壁があります。
それは「安定した供給」と「価格を安価にすること」です。
というのも、電力の60%を水力発電がまかなっていますが、雨が少なくなると湖の水位が下がってしまい、発電量が著しく低下します。現在はそういった時期の足らない電力を石炭や石油、天然ガスなどを燃料とした火力発電が補っています。また風力も風がなければ発電量は少なくなります。
つまり「気候や環境によって発電量が変わる」ことを踏まえて、それでも十分足りうるだけの電力を発電できるようにしなければなりません。
ちなみに2016年の冬(6月から8月)は最大で93%が再生可能エネルギーでまかなわれていたので、時期によっては今現在でも2007年に掲げた「再生可能エネルギーの割合を90%以上」という目標は達成されています。
もし十分な電気が作り出せないうちに、バックアップとなる化石燃料による発電を止めてしまうと電力不足になったとき、純粋に電気が足らなくなったり、電力の価格高騰が起こる可能性があります。
また純粋に再生可能エネルギーの電気代が高いと消費者は困ってしまいます。
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このことは専門家のあいだでも、どう電力を補うのか?が議論されています。また一部の専門家は再生可能エネルギーだけでは電力をまかなえないのでは?と述べているそうです。
これ以上の電気代高騰はやめて欲しい
正直なところをいうと、再生可能エネルギーはクリーンなエネルギーで環境に良いことはわかっているんですけど、再生可能エネルギー100%を目指す代償として、電気代が高騰するのだけは勘弁してほしいです。
というのも、ニュージーランドは電気代が今の時点ですでに高いからです。
我が家は2LDKくらいの間取りで冬の電気代が1ヶ月で400ドル近くになります。400ドルは円にすれば3.2万円くらいなんですけど、肌で感じる400ドルのダメージは4万円かそれ以上です。
ガスを使ってないので、その分だけ電気代が多くなるのはしょうがないんですけど。
今後、2035年までの18年でどう国の仕組みが変わっていくのか、今後も動きがあれば紹介していきたいと思います。