原発がない国ニュージーランドの電力事情

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ニュージーランドは1984年に「うちは核を持たないし、お持ち込みもお断りしてますよ!」という法律を制定させてから「核がない国」として世界に大きく打ち出していきました。

それから今年で30年が経ってニュージーランドは電気を何でまかなっているんでしょう。
また1984年に制定された日本語だと通称「非核法」と呼ばれている法律がどんな法律なのか紹介していきたいと思います。

今日はちょこっと真面目なお話しです。

目次

核を持たない・持ち込ませない国NZ

1984年、David Langeと言う人が首相だった時に「New Zealand Nuclear Free Zone, Disarmament, and Arms Control Act 1987」簡単に言うと「非核法」が制定されました。

この法律によって原子力船や核武装した船がニュージーランドの水域に入ることや核廃棄物を投棄することを禁止し、ニュージーランドの海域や領土、さらには空域から核が存在しなくなりました。

353/365 nuclear power vs ...
© Andreas

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そしてニュージーランド国内で核の製造や所持をするのはもちろん、核反応が起こるような機器を操作することすら禁止された。

ただし核反応が起こる似た物質の使用を禁止したわけではありませんでした。例えばレントゲンの装置なども厳密に言えば放射線を発しますがそういったことは許されています。

また面白いのがこの法律では、原発や核の調査施設をニュージーランドに作ることを禁止してはいないんです。つまり「アレはダメ」「これもダメ」というのではなく、そもそもニュージーランド国内で核反応を起こしたり、起こる可能性がある機器を操作できないよう包括的に押さえ込んだわけですね。

アメリカと繋いでいた手を離したNZ

この法律が制定されるさらに30年以上前に、アメリカとオーストラリア、そしてニュージーランドのあいだで軍事同盟・集団安全保障に関する条約「太平洋安全保障条約 ANZUS」が結ばれました。

ところがこの「非核法」が制定されて、アメリカの核を搭載した船が寄港しようとしたときに、ニュージーランドはその船がニュージーランドの海域に入ること拒否しました。

Our Father of the flag
Mookies Mom

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もちろんアメリカは面白くありません。そこでこの条約はアメリカ側から停止されてしまいました。

つまりニュージーランドは大国アメリカの「え?そんなことするならお前のところ守ってやらねーよ」という脅しに屈しなかったわけですね。

こういったニュージーランドほど明確に、そして強く「核を一切持たない」と政策で打ち出した国は「非核法」が制定されてから30年経った今でもありません。

再生可能エネルギー100%を目指すNZ

再生可能エネルギー発電というのは、自然界の何らかの作用を利用して発電する方法です。別の言い方で自然エネルギーなんて言い方もしますね。
例えて言うなら、太陽光、風力、波力、地熱などが挙げられます。

逆に天然ガスや石油、石炭などを使った化石燃料や、ウランなどの地下資源を使った発電方法を枯渇性エネルギー発電と言うそうです。

日本の場合、発電量全体の90%を枯渇性エネルギー、10%を再生可能エネルギーでまかなっています。2011年の地震の後、さまざまな企業が参入して再生可能エネルギーを増やそうとしていますが、大きく数字が逆転するほどの成果はまだ上がっていません。

ところがニュージーランドの場合、全体の74%が再生可能エネルギー発電でまかなっています。内訳は53%が水力発電、地熱発電で13%、そして5%が風力発電です。
そして2025年までに全体の90%を再利用可能なエネルギーに置き換えると政府は2007年に発表しています。

Wind Turbine in Wellington

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© nzlife.net

電気を湯水のように使わないNZ

日本で再生可能エネルギーの電気が普及しないことの1つに価格があると思います。
ニュージーランドは再生可能エネルギーが主体だからか、電気代はものすごく高いです。ひと家族で300-400ドル(25,000円-35,000円)とかかかるところもあるとか。

そのせいか、ニュージーランドではテレビCMなどでも「節電のコツ」みたいなものを流していたり、電化製品には必ず「節電率」みたいなものが表記されていたり、節電に関する意識は非常に高い気がします。

また日本のように街中のライトが24時間煌々と照っていることもありません。
イメージ的には日本で震災のあとの街が暗かったとき、もしくはそれ以上に街全体が暗いです。これはニュージーランド最大の都市オークランドであっても夜は暗くなります。

これが田舎に行ってしまったら、灯りが付いているのはポツリポツリとある街灯だけになってしまいます。

Night Out in Shinjuku

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© Ed Kruger

個人的にはこう思う

日本に住んでいるときは、あの街の灯りは当たり前でした。

ところがニュージーランドに来て街があんなに明るい必要はないし、あんなに夜遅くまでたくさんの店が開いている必要もないんだなと思いました。たしかに夜中にお店が開いてて良かったなーって思うこともあります。でもいろいろ過剰だなとも思うようになりました。

もちろんニュージーランドと日本は人口の規模は全然違うので必要な電力も違うし、数年で今までとまったく違うシステムで電力を供給するのは難しいと思います。でも、そんなこと言ってたら一生何も変わりません。

規模が大きいからこそ早急に変えていかないといけないはずです。

自分に何が出来るかわかりませんけど、自分自身の中で意識を変えることくらいはしていきたいと思います。

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この記事を書いた人

元NZ在住40代男性。大阪在住。2005年からニュージーランド15年、カナダで1年の生活を経て2022年に日本帰国。ブログ運営が仕事。

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