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日本でちょっと悲しいことが起こりました。
ニュージーランド人、マオリの女性が石狩管内の温泉で入れ墨をしているという理由で北海道の石狩管内の温泉で入浴を拒否されたことがわかりました。
いったいどんな経緯でこんなことが起こったのでしょうか。
ニュースの概要
北海道新聞によると、マオリの女性Erana Brewertonさんは6日まで開催されていたアイヌ語復興をめざす講習会で講師として招かれていたそうです。
その講習会のあと、講習会関係者約10名で札幌市内でアイヌ民族の行事を見学した後、入浴と食事のためにある温泉施設に立ち寄りました。
その温泉施設で彼女は唇からあごにかけて入っている入れ墨が理由で、温泉に入ることができなかったそうです。
これが彼女の写真です。たしかにマオリの女性がしている入れ墨が入ってますね。
© Massey University
アイヌとマオリの繋がり
衰退の危機を脱したマオリ語
もともとニュージーランドの先住民だったマオリ語の言葉は、1867年に政府が英語だけを使って勉強する教育プログラムを導入してから、廃退の一途を辿っていました。
そしてそれから100年経った1970年代にはマオリ語人口は4分の1に減少、子どもに至ってはほとんどマオリ語をしゃべれる人はいなくなってしまったそうです。
その後、その状態に危機を感じたマオリ族が立ち上がり、政府と連携しながら授業にマオリ語を取り組んだりしながら、マオリ語は衰退の危機を脱することができました。
消滅寸前のアイヌ語
アイヌ語は現在UNESCOが「極めて深刻」と規定するほど消滅の可能性が高い言語になっています。
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恐ろしいことに2007年の時点でアイヌ語を母国語として流ちょうに話せる人は10人しかいませんでした。その後、保存活動が行われていますがなかなか維持することができないでいるそうです。
そこで一度、衰退の一途を辿りながらも徐々にその危機的状態を抜け出した成功例に習おうとしているのが「アオテアロア・アイヌモシリ交流プログラム」のようです。
マオリの人と招いたり、ニュージーランドに訪れて英語や日本語を使わず、マオリ語だけでマオリ語を学ぶ方法を学ぶことができれば、同じようにアイヌ語の学習効率にも繋がるのではと考えたわけですね。
マオリにとってのタトゥー(Ta moko)
もちろん今の人たちはオシャレでマオリ族のタトゥーをしている人もいます。
ただ敬虔(けいけん)なマオリの人たちにとってタトゥー(Ta moko)は非常に神聖な意味を持っています。彼らはもともと文字を持たない文化でした。そのためTa mokoが神様や先祖、自然と繋がるためのものだったり、自分たちの歴史や血のつながりを一族の家柄みたいなものを形として表したり、残したりする数少ない手段でした。
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どこで境界線を引くのか
今回、その温泉施設が断った理由は
入れ墨にもいろいろな背景があることは理解するが、一般客はなかなか分からない。例外を認めると、これまでの信頼を裏切ることになる
ということでした。
「入れ墨入館禁止」と掲げている以上、彼らとしてもどこかで線を引かなければいけないので、こういった決断になったわけですね。
接客業をしているのでこの「どこかで線を引かないと行けない」というのはわかります。
ただ彼女はErenaさんはニュージーランドからアイヌ語を保存するために招かれた人です。フラッと立ち寄った観光客ではありません。
しかも入れ墨は見えないところではなく顔にあるんです。これが見えないところで、あとで服を脱いで発覚したならしょうがないかもしれません。
さらに言うなら、10人以上でニュージーランドからのお客様を招いてする食事だったら予約だってしていたはずです。
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関係者は温泉に入ることがわかっていて、なんで事前に根回ししなかったのか。不思議です。
事前に言われていたら温泉側も入浴客に入浴時に「今日は外国からこういう人が来ていて」とアナウンスするなど、何らかの根回しだってできたと思います。
Eranaさんは今回のことに関して「入れ墨はマオリの尊厳の象徴であり、大変残念」と述べているそうです。
きっと「入れ墨の人はダメ」というのは、やくざとか怖い人対策で始めたことだと思うんです。だけど、今の世の中オシャレで入れる人ってたくさんいると思うんです。
外国人観光客に至ってはかなりの確率で大きさの差こそあれ入れ墨をしている人ってたくさんいます。そういう人全員が怖い人たちで、入れ墨を入れていない人は全員ヤクザじゃないということでしょうか。
この温泉地の対応は「入れ墨お断り」の本質を見誤ってるように思えてしょうがありません。
「例外を認めると、これまでの信頼を裏切ることになる」
なんか悪しき習慣から抜け出せない典型的な人が言う、今を守ろうとする、言い方を変えれば新しい考えを受け入れられない人の言い訳に思えてしょうがありません。政治家がこんなセリフを言ってますよね。
「郷に入っては郷に従え」なんていう言葉もあります。
でも、もっともっと外国人が増える2020年の東京オリンピック開催のときにこの言葉を貫き通せるのでしょうかね。
今後今回の例に限らず、日本の良い意味でのガラパゴス状態は残しつつ、悪い意味でのガラパゴス状態が緩和されていくことを期待しています。
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