マオリ族にとって特別な存在の鳥にまつわる小話

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マオリ族といえばハカや、翡翠(ジェイド)のアクセサリーというイメージがありますよね。あとは何かと目をギョロッとさせて舌をベローンと出してくることくらいでしょうか。

マオリ族にとって、鳥は特別な存在でした。鳥の羽を身につけることで、その人の位(くらい)を表していたそうです。

いったいどんな鳥が特別な鳥だったのでしょうか。今日はそんなマオリ族が大切にしていた「鳥」のお話しです。

目次

キウィ Kiwi

Kiwi

キウィはマオリ語で「Te manu huna a Tane タネ(森の神様)が隠した鳥」と呼ばれていました。というのも、夜行性で昼間は見つけられず、しかも夜でさえ殆ど見かけなかったからです。そのためキウィの肉は部族の長のみが食することが許されていました。

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さらにそんななかなか見つからない鳥の羽を使ったマントは貴重なもので「財宝」のような扱いを受け、特別な儀式のときのみ着ることが許されたそうです。最近だと2006年にマオリの部族の女王が亡くなったときのお葬式で使われました。

トゥイ Tui

20150106 - A New Zealand Tui

マオリの神話でトゥイは他の鳥の鳴きマネをしたり、時には人の真似すらするモノマネの鳥とされていました。中には飼いならされ、人の言葉を話すことすらできました。人が訪れた際の挨拶や、お祈り、さらに部族の長の声真似すらしたそうです。
そのようなトゥイをManu Rangatira(マヌ・ランガティラ)と呼ばれ、部族の長によって飼われていました。

フイア Huia

Huia Sign

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フイアは20世紀前半に絶滅した水鳥の一種です。
上のイラストでもわかる通り尻尾の羽が長く、色は黒で先のほうが白くなっています。この羽根を12個で1つの束にして「マレコ Mareko」と呼ばれる髪飾りにして、位(くらい)が高い人たちが付けていました。

またフイアの羽をKahu Huruhuru(カフ フルフル)と呼ばれるマントに付けたものは部族の長のみが身につけることを許されていました。

カカ Kaka

Kaka Feeding

オウムの仲間のカカは羽の下に赤い毛を持っています。
マオリにとって「赤」は高位なものとされており、カカの毛を使ったマントは位の高い人たちのみ羽織ることが許されていました。

ちなみにカカの声は大きく、またよく響くことからマオリの人たちは昔から「おしゃべりな人」を「カカの頭 He pane kaka」と呼んだそうです。

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カカポ Kakapo

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飛べない鳥カカポの緑がかった黄色と茶色の毛も高位なものとしてマントに付けられました。

掘り下げると書ききれない程です

マオリ族にとって鳥は特別な存在でした。

そのため鳥にまつわる話は書ききれないほどあります。ただ掘り下げる過ぎるとマニアックすぎる(すでにマニアックな話を紹介してますけど)ので、今回はこの辺にしたいと思います。

情報元のTe Ara The Encyclopedia of New Zealand (ニュージーランド百科事典 テ・アラ」には更に掘り下げた方法がたっぷり載っていますので興味がある方はそちらをご覧ください。

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そういえば3月10日にディズニー映画の「モアナと伝説の海」が公開されますね。この映画、マオリ族を含めた南タイ太平洋の人たちをモデルにした映画です。

ニュージーランドでは去年の年末から公開されていたので、見てみたんですけどマオリ要素満載でした。機会があれば、モアナ&マオリにまつわる話も紹介したいと思います。

 

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この記事を書いた人

元NZ在住40代男性。大阪在住。2005年からニュージーランド15年、カナダで1年の生活を経て2022年に日本帰国。ブログ運営が仕事。

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