2月6日のワイタンギ・デーっていったい何の日?

ニュージーランドでは、毎年2月6日はワイタンギ・デー(Waitangi Day)と呼ばれる祝日です。

しかも、土曜日の祝日なので月曜日が振替休日になって3連休です。
「わーい♪3連休なにしようかなー」でも、もちろん良いんですけどいったいワイタンギ・デーがいったい何なのか、ちょこっと調べてみました。

調べていくと、根が深い、そして真面目な話が見えてきました。

まずその前に歴史的な背景を

Waitangi Day Celebration

ニュージーランドにはもともと人が住んでいませんでした。

そこに1000年ほど前にどこからともなくやってきたのがマオリ族。彼らはニュージーランドの各地に住み着きました。
そして1642年、オランダ人のエイベル・タズマン(Abel Tasman)が来たあとは続々とヨーロピアンがこの土地に来るようになりました。

この時点でこの土地は最初に見つけたマオリのもの。
つまり土地を守ろうとする者と、ヨーロピアンを侵略者とした構図が生まれてしまいました。

そうなるとお互いが土地の権利を主張した戦争ばかりが起こります。
戦国時代と大して変わりません。無法地帯。群雄割拠の世です。そこへ来て1839年にイギリス人によって移民の会社が設立され、ヨーロピアンがさらに流れ込んでくることになりました。

そしてマオリとヨーロピアンのあいだで武力衝突がさらに激化、血で血を洗う争いになるのは目に見えてわかることでした。

2つを1つにする条約

そこで最初のヨーロピアンが来てから約200年が経った1840年2月6日。
ワイタンギという場所でイギリスの働きかけによって、マオリの首長たちとイギリス政府のあいだで、ある条約が結ばれることになりました。

それがワイタンギ条約(Treaty of Waitangi)です。

ここがワイタンギです。オークランドから車で3時間です。

この条約の目的は「2つを1つにするため」でした。

内容は

  1. 全てのマオリ族は英国女王の臣民となりニュージーランドの主権を王権に譲る。
  2. マオリの土地保有権は保障されるが、それらの土地は全てイギリス政府へのみ売却される。
  3. マオリはイギリス国民としての権利を認められる。

というものでした。

つまりマオリの人たちはイギリス人としての権利を与えられ、さらに土地の保有権も保証されるので、マオリにとって一見悪い条件ではないようにみえました。

言葉の違いから生まれる問題

Waitangi

ところが、もともと英語で作られたこの条約。

英語がわからないマオリの人たちのためにマオリ語に翻訳する必要がありました。そして、マオリ語には存在しない英単語を、マオリ語で新たに作る必要に迫られました。

これが大きな問題の始まりでした。
何が問題だったのかというと、「誤訳」「言葉の違い」からさまざまな解釈の違いが生まれました。

一部ではイギリス政府が意図的に?なんて話もありますけど、それは闇の中です。

問題の言葉はいくつもあります。
例えば「主権 Sovereignty」という言葉をマオリ語にした「Kawanatanga」は、「主権」と言うより「支配」に近く、マオリの人たちは白人に支配されているような内容に書き換わってしまいました。

マオリ側は条約が結ばれたあとにその間違いに気がつき、明らかに不平等だと訴えました。
それがきっかけで1860年頃から1872年まで戦争まで起こりましたがイギリス政府によって鎮圧されました。

鎮圧後、イギリス政府はゴメンナサイをするわけでも、間違いを訂正するわけでもなく、問題を放置しました。

ただの放置じゃありません。

100年にも渡る放置プレイをしてしまったんです。

そして100年にも渡る放置プレイのあと、1975年にワイタンギ条約で定められた権利について、再度審議・改定され、一部の土地がマオリの手に戻り、マオリ語も公用語として認められました。

今でも土地やマオリの権利については解決していなくて、今でも多くの問題が残っています。

結局ワイタンギ・デーというのは

Waitangi Bowling Club

この条約をきっかけに国が1つにまとまったという意味では、「ニュージーランド」という英連邦王国 (Commonwealth realm)の国が誕生した日なので祝うべき日だと思います。

また一般の人たちにとっては12月から続く長い休みの最後なので、街ではセールをしたり、イベントがあったりと楽しいことの方が多いです。

でも、歴史的な背景は複雑で、マオリの人たちの一部では今でも「忌まわしき日」として、ちょっと物騒なことが起こってしまうこともあるそうです。

この辺の問題はいろいろ繊細なので、もしかしたら解決することはないのかもしれませんが、なにとぞ穏便にしてもらえたら嬉しいなーなんて思います。

昔の日本をちょっと思い出しました

鎖国していた日本が、黒船の襲来などを経て開国したあと、さまざまな不平等条約を結ばされたりしました。
また終戦後にアメリカ政府が日本の政治に介入したことで、今まであった日本のシステムは大きく変わってしまいました。

もともといる人たちと侵入される人たち。
それぞれに言い分があるんでしょうけど、不平等というのはやっぱりよくありませんね。

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