自動車事故の対人賠償がないニュージーランド

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車を運転する人なら誰もが事故を起こしてしまう可能性があります。

そのため日本では、自動車保険の中に必ず「対人賠償保険」というものがあります。
これは車を運転しているときに、誰かに怪我を負わせてしまったときに治療費などを保険で支払うというものです。

ところがニュージーランドの保険には「対人賠償保険」がありません。
では、いったい誰が、どうやって治療にかかる費用を払ったり、事故に伴って失う収入を保証するのでしょう。

今日はそんなニュージーランドの保険制度についてです。

ニュージーランドの車の保険に付属するもの

Deadly embrace 2

ニュージーランドの保険には「対人賠償保険がない」と書きました。

例えばニュージーランドの保険会社で最大手のAAでは、Comprehensive car insurance(総合保障みたいなもの)で保証されるのは「事故に伴う自分の車と相手の車と所有物の修理費」だけです。

これがちょっと安いThird Party car insuranceだと、保証するのは「相手の車と所有物の修理費」だけになります。

対人賠償についての記載がまったくありません。これは他の保険会社の保険内容も似たような感じです。

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では、誰が治療費を払うのか

治療費は加害者も被害者も払う必要がありません。

誰が払うのか。

それはACC(The Accident Compensation Corporation)というニュージーランドの公社が支払ってくれます。

ACCは国レベルの保険制度で、ニュージーランドの国民だけでなく、ワークビザやワーホリビザ、さらには短期の旅行者が怪我をした時の治療費を払ってくれたり、事故などで動けなくなった場合の生活保障までしてくれます。

1つ気をつけたいのが、日本人旅行者がニュージーランド国内で怪我をして、怪我が治りきらない状態で日本に帰ったときの日本で発生する治療費はカバーされません。なので骨折とか時間がかかる治療が必要な場合は注意が必要ですね。

ところで以前ワーホリをしていたとき、「怪我の治療費はワーホリだと対象外だ」と言われたことがありました。
でも、調べてみるとワーホリでもちゃんと補償してくれるようです。そのときそういった友だちは病院に行って治療を受けたら保険なし、つまり実費になって高いと思って病院には行きませんでした。

噂って怖いですね。自分で調べるようにしましょう。

ACCはどこからお金を得ているのか

ニュージーランドにいる人なら旅行者でも怪我の治療費を出してくれるACC。

収入源はニュージーランドで働いている人たちのお給料から徴収されている税金です。
税務署(Inland Revenue Department)がACCに代わって、税金のような形で職種ごとに違ったレートで徴収されています。

また事故の原因の1つである車の登録費用やガソリン代にもACC税という形で上乗せされています。

ちなみに事務職など怪我をする可能性が低い人はレートが低く、ニュージーランドで1番多くお金を納めているのはラグビープレーヤーらしいです。彼らに怪我は付きものですからね。

治療費に関する裁判が起こらない国

例えば日本だったら、車の事故でむち打ちになった場合、誰が払うのかでトラブルになりますよね。
どっちが払うのか。その割合は?などなどお互いお金を払いたくないのでいろいろ揉めてしまいます。

でもニュージーランドではACCがあるためそれらがありません。

もともとACCはこういった自動車事故でかかる治療費の賠償を個人に問わないことを目的としているからです。
というのは、この制度は「車によって輸送が行われているからニュージーランドという国は利益を得ている」という考えに基づいていて、その利益の還元の一環として治療費を全額負担しているわけです。

賛否両論ではあるらしい

なんだか大盤振る舞いなACCという制度。
財政的な問題や、保障されるケースと保障されないケースがあるなど、いろいろ賛否両論です。
例えば旅行者の分まで治療費を払ってるけど、それはACCが徴収した国民のお金です。結果的に国民の負担が大きくなるのでは?ってことですね。

でも逆を言えば「ニュージーランドは観光業、つまり旅行者で成り立っている国だから、その利益を旅行者に還元する」という意味では筋が通っているようにも思えます。

賛否両論で、意見が分かれるのはわかります。

でもニュージーランドの考え方を支持したいと思います。

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