Wellingtonで起こっているM7の「サイレント地震」

実はWellingtonではここ150年で最大の大地震に見舞われています。
「見舞われました」ではなく、今こうして読んでいるあいだも、足元で地震が起こっているんです。

でも、誰も机の下に隠れたり大騒ぎしたりしていません。

なぜならその地震は揺れを伴わないサイレント地震と呼ばれる地震だからです。

地面が震えるから地震なのに、揺れを伴わないってどういうことなんでしょう。

現在、Wellingtonの地面で何が起こっているかわかりやすく紹介していきたいと思います。

普通の地震とサイレント地震の違い

普通の地震は瞬発な力で地殻が動いて地面が揺れます。
その瞬間どれだけ地殻が動くかが、その地震の規模を決めます。なので地殻があまり動かなければ規模は小さいでしょうし、大きく地殻が動いた場合は甚大な被害が出るような大規模な地震を巻き起こします。

skitched-20130530-155349
This photo was originally taken by Josh More

ところがこのサイレント地震、またはスロースリップゆっくり地震と呼ばれる地震は瞬発的な力ではなく、ジワーーーーっとゆっくり地殻が動くものです。
地殻変動と比べたらその地殻の動きは驚異的に速く、普通の地震の「一瞬」と比べたらはるかに遅い速度で地殻が動くことを指すようです。

そのため人間どころか、地震を観測する機械も揺れを感知しません。
こういったことが起こっていること自体、発見されて15年も経っていないんです。
2000年11月のハワイ島のキラウエア火山で起こったのが最初と言われていて、調査を進めていくと地殻の境目では世界中どこでも起こっている珍しいものではないそうです。

Wellingtonの地下で何が起こっているのか

Wellingtoなど北島南部に住んでいる人にとってビックリなのが、この地震は2013年の1月くらいから起こっているそうです。そしてあと数ヶ月は近くの移動が続くと想定されています。


View Kapiti Slow Slip in a larger map

今回の地震は地名を取ってKapiti Slow-slip eventと呼ばれ、Wellingtonの北にあるLevinとう街あたりから、Pictonの北東Marlborough Soundsあたりにかけて100キロに渡り起こっていて、震源の深さは40キロとのことです。
地殻の移動距離で換算するとマグニチュード7に相当するそうです。
一瞬で動いていたら大災害でも、1月から何ヶ月もかけて移動しているので被害どころか揺れを感じることもないわけですね。

ニュージーランドの場合、Kapiti以外ではManawatu、Hawke’s Bay、Gisborneで同じタイプの地震は観測されていて、KapitiとManawatuは震源が深く5年サイクルで起こっていることもわかっています。

日本でも起こる可能性はあるのか

実は日本でも当たり前のように起こっています。

例えば2000年から2004年にかけて東海沖で年間1cm程度の速度でスロースリップが起こっていたり、房総半島沖、南関東、日向灘、三陸沖、東南海地域などで過去30ー40年のあいだに場所によっては何回も発生していたことがわかっています。

このスロースリップ(サイレント地震)に伴う地殻の変化が地震を誘発するという見方が有力で、地震予知に向けての研究も進められているそうです。

個人的にはこう思う

この記事で読者の方に「地震が来るよ!」と煽るつもりはまったくありません。
未だに発見から日が浅いため、大地震を誘発する可能性があるのか、ないのかは情報が乏しいそうです。

ただ気がつかないあいだに地面が地殻変動より速いスピードで動いているという興味深い事実だけ読み取ってもらえたら嬉しいです。

情報元
Long-running Wellington quake a 'slow-slip' event – National – NZ Herald News
スロースリップ – Wikipedia

こんな記事もよく読まれています

COMMENTS