アメリカ英語とイギリス英語。古い言葉はどっち。

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イギリス英語とアメリカ英語。
どっちが古い英語に近い伝統的な英語だと思いますか?

「もちろんイギリス英語に決まってるでしょ」と言われそうな質問です。
でも実は「アメリカ英語の方が古い英語である」という考え方があります。

アメリカ英語が古いってことはアメリカが英語発祥の地?

今回は「言語学」の域に入ってしまう勢いで「英語の歴史」を深ーく掘り下げていきます。真面目一徹です。


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目次

どっちの国が古い英語を喋っているのか

なんで「アメリカ英語の方がイギリス英語より古い」なんて考えがあるのでしょう。

「実はアメリカが英語発祥の地だった」なんていうトンデモ理論を持ち出すつもりはありません。

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英語はイギリスで生まれて、大航海時代にアメリカに伝わった。これは誰もが知っている事実です。
それを覆すつもりはありません。というかそんなこと言語学者でも何でもない自分にはできません。

英語の発祥はイギリスです。

では、英語の本家イギリスの人たちは、英語が生まれた当時の伝統的な英語を喋っているのでしょうか。

文化人類学の中でこういうセオリーがあります

古い文化や言語は遠隔の地に温存される。そして発祥地と伝承された地では発祥地の方が変化が早い

このセオリーが正しいとしたら。
イギリスで発祥した英語はアメリカ(遠隔地)に伝わって、アメリカで温存されているということです。これと同じことがフランス語でも言われていて、カナダのケベックで使われているフランス語は古いフランス語の形を残しているそうです。

すごく興味深くないですか?

アメリカにイギリス人が最初に足を踏み入れたのは1607年と言われています。その13年後の1620年にイギリス国協会の分離派Pilgrim FathersがMayflower号に乗って到着し、マサチューセッツのPlymouthに定住地を築きました。

実はこの時、イギリス人のPilgrim Fathersたちが話していた英語は今のアメリカ人が話している「R」が強い巻き舌で、Waterを「ウォーター」ではなく「ワラァ」みたいに発音をしていたと言うのです。

今使われているような「あの」イギリス英語ではなかったと言われています。

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そして上で紹介した「言語は遠隔地で温存される」というセオリー通り、アメリカではPilgrim Fathersたちが話していた当時の英語が温存されながら、その英語をベースに独自の進化を遂げて今のアメリカ英語になっていきました。

またイギリス英語は「発祥地の方が変化が早い」というセオリーに則って、イギリス英語で独自の進化を遂げてアメリカ英語とはまるで違う今のイギリス英語になったわけです。

なんでオーストラリアとニュージーランドの英語は似てるのか

イギリス英語とアメリカ英語の話はいったん置いておいて、今まで気になっていたことについて書いてみます。

その「気になっていた」ことは、なんでオーストラリアとニュージーランドの英語は似てるんだろう?ということです。
「イギリスの植民地だったから」という意味では、アメリカだってイギリスの植民地だったのに全然違う英語です。

「植民地だったから」が理由なら、オーストラリアやニュージーランドはアメリカ英語に似た英語を喋っていてもおかしくありません。

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でもオーストラリアの英語もニュージーランドの英語もアメリカ英語とは違います。
まぁ、イギリス英語かというと正直違う気がします。


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オーストラリアとニュージーランドの英語が似ている理由。

それは英語が伝わってきた時期が同じくらいだから、2つの国の英語は似ているんじゃないでしょうか?

アメリカに英語が伝わったのは1620年。
ニュージーランドに初めてイギリス人が来たのは1768年。イギリス人が定住を始めたのは1814年以降とされています。オーストラリアは1788年に1030人の移民が来たのが最初と言われています。

つまりアメリカに英語が伝わった時期と、ニュージーランド・オーストラリアに英語が伝わった時期で150-200年の差があるわけです。

もしこの200年の間にイギリス英語が、さらに変化を続け「R」が強いあのアメリカ英語みたいなものから、今現在ニュージーランドやオーストラリアで喋られている英語に変化した可能性が十分に有ります。

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そして、当時の英語がニュージーランド、オーストラリアで温存されながら、独自の進化を遂げていったと考えてもおかしくありません。

それであればニュージーランドとオーストラリアの英語が似ている理由は納得ができます。

そんな言葉って変わらないでしょ

そんな言葉って変化しないでしょ?と思う人もいるかもしれません。

でも、日本語に置き換えてみたらわかりやすいと思います。
大政奉還が起こって江戸という時代が終わった1867年の日本語と、今の日本語ではかなり違うはずです。たった150年くらいのあいだに起こった変化です。

150年でこれだけ言葉が変わるのであれば、アメリカに英語が伝わったのが400年前。それからニュージーランドに伝わったのが200年前。それからさらに現代まで200年あれば、今のようなイギリス英語に変わっていてもまったくおかしくないと思います。

もちろんあくまでも一説です

もちろんこれが言語学の定説なわけではありません。あくまでもいろいろある説の中の1つです。

でも、それぞれ伝承地で意図せずに当時の英語を「言葉のタイムマシン」として残しているって考えると、なんか壮大なロマンを感じずにはいられません。

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もしかしたらイギリスの植民地を1つ1つ紐解いて、植民地になった年代ごとに英語がどのくらい似ているかを調べてみたら興味深い結果が得られるかもしれません。

なんだか言語学者にでもなりたい気分です。

情報元・参考資料

古いアメリカ英語と新しいイギリス英語
英語の歴史
英語の発音―アメリカ英語の発音
Greetings! from Washington D.C. – 誰でもわかるアメリカの歴史
アメリカ合衆国の歴史 – Wikipedia
ニュージーランドの歴史 – Wikipedia
オーストラリア – Wikipedia
大政奉還 – Wikipedia

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この記事を書いた人

元NZ在住40代男性。大阪在住。2005年からニュージーランド15年、カナダで1年の生活を経て2022年に日本帰国。ブログ運営が仕事。

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