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ニュージーランド人のハロルド・ギリス(Harold Gillies)を知っていますか?
ほとんどの人は知らないと思います。僕も知りませんでした。でも、もしかしたら形成外科や美容整形を学んだ人なら聞いたことがあるかもしれません。
彼は美容整形を初めとした形成外科を世界で初めて行った人として、その業界では知られている人なんです。そこで今回は世界で初めて美容整形を行ったニュージーランド人ハロルド・ギリスを紹介します。
世界で初めて美容整形・形成外科を行ったのはニュージーランド人
世界で初めて美容整形・形成外科を行ったハロルド・ギリスは1882年にダニーデンで生まれ、1960年、78才で亡くなりました。
イギリスのケンブリッジ大学で医療を学び、第1次世界大戦のときはイギリスの軍隊で軍医として働いていたそうです。
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もともとは美容整形や形成外科は、美容のジャンルで確立されたのではなく、戦争などで負傷した兵士の傷をいかにキレイに治すかを目的とされていました。
彼が一番最初に美容整形のルーツとなる手術を行ったのは1916年、彼が34才のときでした。
彼のところに、目の周りに深刻な火傷を負った兵士が担ぎ込まれました。
当時の医学できることは、火傷した部分を消毒したり、縫合する程度。傷はそのまま残ってしまいます。火傷をする前の状態に戻すなんていうのは到底不可能なことでした。
ところがハロルド・ギリスは、火傷を負った患者に対して、当時の常識を打ち破る新しい治療方法「皮膚移植」を施すことにしました。
彼は患者の肩から皮膚を取り、患部に移植しました。下の写真が「術後すぐ」そして「途中経過」と「治療後」です。
人によってこの後に出てくる写真が苦手という方もいるかもしれません。そういう方は薄目でご覧になるか、写真の辺りを手で覆いながらご覧ください。
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結果、当時の医療技術を考えれば、信じられないほどキレイに傷を治すことができました。
患者は術後20年以上、術後の経過を報告しに病院に通っていたそうです。残念ながら、戦火によって治療についての資料はほぼすべて消失してしまいました。
ハロルドを中心としたチームは生涯で11,000回以上の手術を5,000人以上の人たちに施したそうです。そしてハロルドは「近代形成外科の父」と呼ばれるようになりました。
彼がいなかったら今の形成外科の技術はないか?って言われたら、きっとそんなことはありません。誰かが同じことをしていたはずです。でも、少なくとも現代の形成外科、整形外科の分野に彼が大いなる貢献をしたことは間違いありません。
残念だなと思うことを1つ
今回の件で残念なことが1つあります。それはハロルドは「ニュージーランド生まれ」なんですけど、活躍した場所はイギリスなんです。
気のせいかもしれませんが、ニュージーランド生まれの偉人さんはみんなイギリスとか海外に行ってしまう傾向があるような気がします。
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でも、多くの人を助けたり、多くの人のために何かを成し遂げるためには、もっと大きな世界が必要なんでしょうね。
とはいえ、その始まりの場所となっただけでもすごいことですね。