スポンサーリンク
週休3日制を試験的に導入したオークランドの企業が、先日そのお試し期間を終えてどうだったのか?を公表しました。
働く側としては「週休3日制」というのは非常にありがたい制度なんですけど、企業として収益などの面でどういう成果を得ることができたのでしょうか?
巷がざわつかせた「週休3日」を試験的に導入した企業
今年2月に、日刊ニュージーランドライフで「ニュージーランドで「週休3日」を導入を検討する企業現る。他社も興味津々」という記事を紹介しました。
2018年2月、オークランドにある遺書や信託ファンドを取り扱うPerpetual Guardianという企業が、試験的に週休3日制を導入すると発表しました。当時、試用期間は6週間と言われていましたが、結局8週間のお試しです。
当時の発表によると、従業員は240人。週休3日にしても給料は下げずに現状維持を約束しました。
スポンサーリンク
企業の狙いとしては仕事の効率化を高めたり、ライフバランスを整えることで従業員の幸福度をあげ、結果的に企業としても成長できたらと考えたようです。
試験的な導入がされたのは2018年3月から4月。その試用期間で得られた成果やスタッフの反応は公表すると当時報じられていました。
どうやらその結果が今回、公になったようです。
週休3日をした企業。結局どうだったのか

今回週休3日制を導入したPerpetual Guardianの代表 Andrew Barnesは
8週間のお試し期間は成功を収めた。今後も「週休3日制」を継続していきたい。
と新聞社のインタビューに答えています。
今回の件を精査するために、Andrew Barnesは専門家数名を招き、期間中に「週休3日制」が企業だけでなく従業員にとってどのような影響を与えるのか調査してもらいました。
調査を始める前、労働時間を減らすということは、その分だけ「短い時間で成果を挙げなければいけない」というストレスが従業員にかかるリスクがあると考えられていました。
スポンサーリンク
ところが実際にフタを開けてみると、まったく逆であることがわかりました。そのことについてAndrew Barnesはこのように述べています。
仕事の成果やスタッフの仕事に対する達成感、さらにこの職場に継続して勤めたいという意欲があがった。そしてもちろん生産性は落ちなかった。
専門家が行った調査でも職場環境やスタッフのモチベーションがかなり上がったことがわかります。
- スタッフのストレス … 45%から38%に減少
- ライフバランス … 54%から78%に上昇
- リーダーシップ … 64%から82%に上昇
- コミットメント … 68%から88%に上昇
- 活気 … 66%から84%に上昇
- 職場環境 … 68%から86%に上昇
個人的に思うこと
正直なところ、今回のニュースを受けて「この制度を日本でも導入したほうが良い」とは思いません。
日本人とニュージーランド人では仕事のスタイルも、職場環境や制度も違いますからね。
朝から遅くまで週に5日、場合によっては休日返上して働かなければいけない職場で「明日から週休3日制を導入します」と言われても機能しません。
ただ業種によっては面白い試みだとも思います。
それと忘れてはいけないのが、このオークランドの企業も「8週間のお試し期間」だからこそ、そして従業員はトライアル期間で成果を出せば、今後も継続されるという目標があったからこそ、良い成果を出せたのかもしれません。
スポンサーリンク
人間は欲張りな生き物です。8週間を過ぎて半年、1年と時間が経って「週休3日制」が当たり前になり慣れてしまったら、また元の仕事ペースに戻ったり、さらに休みを求めてしまう可能性が十分にあるはずです。
今後「1年」「5年」と長期的に見て、この制度で本当に職場環境や生産性、スタッフの満足度が維持されるのか調査してほしいなと思います。