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ニュージーランドで星空といえば、多くの人が思い浮かべるのが「テカポ」です。国際ダークスカイ協会(International Dark Sky Association)が認定した星空保護区であり、世界中のさまざまなメディアで「星空を見る場所」のトップ10に選ぶなど世界的な評価があります。
先日、ニュースでウェリントンの北部、South Wairarapa(南ワイララパ)をテカポと同じように星空保護区にしようという動きがあると報じられていましたので、今日はそんなニュースにまつわることを紹介しようと思います。
それと記事の最後の方にウェリントンを拠点に活動する星空カメラマンの動画もありますので、そちらもご覧ください。
このページの目次
世の中の2人に1人が満天の星を見れない環境にいる
ニュージーランドの新聞社Stuff.co.nzの記事によると、世の中には満天の星を見たことがない/見ることができない人が2人に1人もいるそうです。
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それだけ光害が広がっているということですね。
確かに日本にいるとき、東京や大阪など大きな都市で夜、空を見上げても目にできる星は数える程度でした。
新聞記事によると、天文学者とワイララパの地元の人たちが南ワイララパを星空保護区に登録するよう動き始めたそうです。
ちなみに南ワイララパ(South Wairarapa)というのはウェリントンから車で1時間ほど東に行ったエリアです。街でいうとワインの産地として有名なマーティンボロ(Martinborough)があります。
星空保護区に選ばれたらどんなメリットがある?
もしこの地区が星空保護区に選ばれたら、どんなメリットがあるのでしょうか。
一番大きいのは、星空を見に観光客が来るようになるかもしれないことです。
テカポを含むThe Aoraki McKenzie International Dark Sky Reserveは毎年、星空を見ることを目的とした観光客がたくさん訪れます。
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それによって宿泊施設や飲食店、ツアー、そのほか星を見るのは夜なので昼間のアクティビティーをする人も増え、街全体が潤うことができます。
それと同じように人々がワイララパに来てくれることを願って、星空保護区への登録を推し進めています。実際、この地区の市長Viv Napierはテカポを訪れて、テカポの天文台と街の取り組みに感銘を受けたそうです。
そしてもう一つのメリットは世界でも有数の星がキレイに見える空を次の世代に受け継ぐことができることです。星空保護区であるためには建築物や街灯などの規制が生まれます。開発を規制することでこのエリアの開発が無計画に行われず、光害や大気汚染が防ぐことができます。
今現在、ワイララパ地区では街灯をLEDに替えるという話が出ていましたが、保留になっているそうです。というのもLEDは明るく省エネで良いものの、青の光が強く「光害」という観点から考えると従来の電球のほうが優れているからです。そのため天文学者と相談し、どうすればいいか検討しているそうです。
世界的にも有名なウェリントン出身の星空写真家が語る
ウェリントンを拠点にする天文写真家のMark Geeはインタビューで以下のように述べています。
南ワイララパは星空写真を撮るのに最適な場所だ。もし星空保護区に認定されたら、多くの星空好きな旅行者を集めるだろう。
また、もし星空保護区に選ばれたら、星空を明るくする建物や照明が付けられることはなくなり、今ある素晴らしい環境を次の世代にも受け継ぐことができます。
ワイララパは星を見にニュージーランドに来る人たちの候補地には入っていません。なぜならその人たちのほとんどがテカポに行くからです。でも、もし星空保護区に選ばれたら、人々は足を運ぶかもしれません。
下の動画はウェリントンとワイララパ地区で撮影された星空の映像です。もともとInternational Dark Sky AccosiationのInternational Dark Sky Week 2015のために作られたものです。ワイララパ地区でどれだけキレイな星を見れるのか感じることができると思います。
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星空保護区は両刃の剣。どう使いこなすか?が大切
以前、Yahoo!で書かせてもらった記事で学んだことなんですけど、星空を守るということはその地区の商業的な発展はかなり制限されてしまいます。
また酪農をする人たちも暗くなってから農場で煌々と明かりを灯して、作業することに制限が生まれるかもしれません。
ただそのかわりテカポのように観光客が来るようになり、星を見れる環境が大きな観光となる可能性もあります。
つまり星空保護区や星空サンクチュアリといった星空を見るための環境を維持するというのは諸刃の剣だったりするんです。この辺をどのくらい住民の人たちが理解したり、活用できるか?がポイントなのかな?と勝手に思っています。
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とはいえ、まだ登録もされていないんですけどね。今後も続報があればお知らせしたいと思います。
情報元:Stuff.co.nz