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ニュージーランドと聞いて何を思い浮かべますか?
「核を保有しない国」を思い浮かべた人は、よっぽどニュージーランドに詳しいか、「非核」に関心がある人だと思います。
ニュージーランドは「我が国は核を持たないし、持ち込ませません」と世界中に大きく打ち出してから、今年でちょうど30年が経ちました。
そこで今回はニュージーランドの非核法について少し触れたいと思います。
ニュージーランドという国を定義した法律「非核法」
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ニュージーランドは今からちょうど30年前の1987年6月8日、「New Zealand Nuclear Free Zone, Dismarmamanet and Arms Control Act」、日本語でいうところの「非核法」を制定しました。
グリーンピースの活動家、ニュージーランド人のSteve Abelによると
30年前にニュージーランドが「核を保有せず、また持ち込ませない」という姿勢を世界的に打ち出したことはニュージーランドという国を定義した瞬間だった。
さらに
ニュージーランドの歴史にとっても非常に重要な瞬間だった。
核を保持しないというスタンスはニュージーランドを有名にすることであり、誇りにすることであると多くの人が考えた。
と、当時の様子をニュージーランドの新聞Newshubの記事「New Zealand 30 years officially nuclear-free」で語っています。
非核法によって、アメリカの原子力船はニュージーランドの海域にすら入ることができなくなり、さらにアメリカ海軍の船すら去年の11月までニュージーランドの港に入港することはありませんんでした。
ところで「非核法」ってどんな法律?
非核法は1984年に提唱され、1987年6月8日に制定されましたが、いったいどんな法律だったのでしょうか。
この法律によって、原子力船や核武装した船がニュージーランドの水域に入ることはもちろん、核廃棄物を投棄することを禁止しました。それによって、ニュージーランドの水域や領土、空域から核は存在しなくなりました。
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さらにニュージーランド国内で核の製造や所持はもちろん、核反応が起こるような機材の操作すら禁止されています。とはいえ、一部、例えばレントゲン装置のような厳密にいえば放射線を発するものの使用は認められています。
非核法が大きく注目された出来事
非核法が制定されるさらに30年以上前に、アメリカ・オーストラリア、さらにニュージーランドの3国で軍事同盟、集団安全保障に関する条約「太平洋安全保障条約 ANZUS」が結ばれました。
ところが非核法が制定されたのち、アメリカの核を搭載した船の寄港が寄港しようとしたときに、ニュージーランドは核を搭載した船がニュージーランドの海域に入ることすら拒否しました。
そんなことをされたら、大国アメリカは面白くありません。
「え?そんなこというなら、もうアメリカはニュージーランドに何があっても守らないよ?」と言われましたが、そのプレッシャーに屈することなく強い姿勢を維持した結果、三国で結ばれていた条約はアメリカ側から停止されてしまいました。
ここまで明確に、そして強く「核を一切持たない」と政策として打ち出したことで、ニュージーランドは一躍、各国の注目を集めることになりました。
今後も法改定などされないことを願うばかりです
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非核法が制定されて30年。
今のところ、ニュージーランドには核兵器の保有はもちろん、原発もありません。
ただ、もし法律が変わってしまえば、非核法がなくなってしまうかもしれません。
今は法律が変わらずに、今の強いスタンスを保って欲しいものです。