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ニュージーランドに移住すると前の職場の人や友人に話したとき、いったい何人の人に「羊飼いになるの?」といわれたかわかりません。
そのくらいニュージーランドといえば「羊の国」というイメージがあるようです。
ところが実は近年、羊の数はドンドン減っているんです。そして先日、政府が行った調査でその数がさらに減ってしまっていることがわかりました。
羊の数は人口一人当り22頭以上だったニュージーランド
ニュージーランドには最盛期で羊が7,000万頭いたといわれています。今から35年前の1982年のことです。
当時の人口は315万人なので、人口一人当り22.2頭いたことになります。人口一人当り22.2頭。もの凄い数ですね。
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ところが35年経って最新の調査では人口一人当り5.9頭まで減ってしまったというのです。なぜ一人当りの羊の数が減ってしまったのでしょうか。
理由は2つあります。
1つは人口が当時の1.5倍くらいに増えているからです。
35年前のニュージーランドの人口は315万人。そして2016年の人口は469万人いました。計算すると1.48倍に膨れ上がっています。そのためもし羊の数が変わらず7,000万頭いたとしても、一人当りの羊の数は14.9頭とだいぶ減ることになります。
そしてもう1つの理由は羊の数の減少です。
調査では2016年6月の時点で2,760万頭いたことになっています。つまり7,000万頭の。。。もう細かい数字はいらないですね。羊の数を人口で割ると5.9頭まで減るというわけです。
ちなみに2016年と2015年で羊は5%減少、さらに2016年と2006年の10年では30%減少しています。
減る羊と増える乳牛たち
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羊が減った分だけ、何が増えたのかというと「乳牛」です。
というのもニュージーランドは牛乳や乳製品の輸出額が年々増えていて、世界でも最大規模を誇る乳製品の企業Fonterraが決める牛乳の価格が、ドルの為替を大きく変わってしまうほど影響力を持っているです。
2002年から2014年のあいだに羊の数は25%減ったのに対して、乳牛の数は29%増えています。とはいっても羊の数は2014年時点で約3,000万頭、乳牛は6.7万頭なので圧倒的に羊が多いんですけどね。
ただし、体の大きさが違うので1頭が必要とする牧草地の広さ、つまり食べる草の量も違ってくるので、「乳牛を育てる人が増える→羊の数が減る」という構図が出来上がってきます。
だから、以前ニュージーランドは正式に「アメリカが米、イギリスが英ならニュージーランドは乳にしてくれ」と日本に申し出たりしたんですかね。
とはいえ郊外に行くといっぱいいます
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「羊の数が減った」とはいっても、ニュージーランドには羊がたくさんいます。先日もテカポへ取材旅行へ行った際も、牧草地に本当にたくさんの羊を見ました。
青い空と緑の牧草地、そこに白い羊がいるのってなんか絵になるんですよね。ついつい写真を撮りすぎてしまいます。そしてあとでパソコンに取り込んでみて、豆粒みたいな羊しか撮れていないことに愕然とします。。。
ということで「羊の数が減ってますよ」というお話しでした。
情報元:
- Livestock numbers | Environmental Indicators
- Agricultural Production Statistics | Statistics NZ
- New Zealand’s sheep numbers continue to fall | Stuff.co.nz