NZの秘境カラメアで出会った日本人姉妹 | 写真家・富松卓哉のNZ紀行08

皆様、こんにちは!ゲストライターの富松卓哉です。毎週月曜日、全11回に渡って紹介している「写真家・富松卓哉のNZ紀行」、今回で第8回目となりました。

前回に引き続き、今回もカラメアについて。なぜ2回にも渡ってカラメアの魅力をお伝えしたいのかと言いますと、僕の1年半に渡るNZ生活で、最も衝撃的だった場所がここ「カラメア」だったからです。

僕が思う「カラメアの魅力」は大きく分けて2つあって、1つはここでしか見ることのできない大自然。「ロストワールド」と呼ばれ、まるでアバターやジュラシックパークの中にいるかのような感覚です。他では決して体験することのできない自然が残っています。カラメアでの大自然については、前回詳しく書かせて頂きましたのでそちらをご覧ください

ロストワールドと呼ばれるNZの秘境「カラメア」| 写真家・富松卓哉のNZ紀行07

2つ目は、カラメアで異色の存在感を放つ「ロンゴバックパッカーズ」。ここで体験したパーマカルチャーというライフスタイルは、僕にとってNZで最も印象的な経験となりました。

ここでの生活を通して、なぜこんなにもアクセスの悪いところに、世界中から旅人が集まるのか理解することができました。

今回は、その世界中の旅人を魅了するロンゴバックパッカーズ、そしてここで体験できるパーマカルチャーについて、たっぷりとお届けしていきます。どうぞ、最後までお付き合いください。

世界中の旅人を魅了する”Rongo Backpackers”とは?

NZを訪れて1年が過ぎようとしていた頃、僕は当時フラットメイトの友人からカラメアの話を聞きました。5億年前の地層が残る自然、美しい夕焼け、パーマカルチャーというライフスタイル、オーガニックファーム、そしてここに暮らす日本人姉妹。

ワーホリの期限が終わりに近づいていたのですが、話を聞けば聞くほど、ここに行きたいという思いが強くなました。「ここに行かずには日本に帰れない」、そう感じた僕はビザを延長することを決め、カラメアに向かいました。

隣町のウエストポートから北に進むこと約100km。カラメアより先に道はなく、山と海に囲まれ、そこだけ時を止めてしまったかのような別世界。人口わずか600人、携帯電話も数年前に通じたばかりのところです。なんでこんなところに日本人が暮らしているんだろうか…謎は深まるばかりです。

その日本人姉妹が暮らしているというロンゴバックパッカーズに到着すると、レインボーからのカラフルな外観に目を惹かれます。下の写真に映っているのはここのオーナーのポール。彼はオーストラリア出身なのですが、カラメアを旅行した時に、この地に一目惚れをしたらしく、ここで暮らすことを決めたそうです。

そして中に入ると、まるでギャラリーの中にいるような物々しい雰囲気があります。怪しいような、ワクワクするような不思議な感覚でした(笑)ここロンゴでは、1人1人が持つ才能、情熱が開花できる場所としてアーティストのサポートを行っていて、このギャラリーのようなリビングは、すべてここに滞在したアーティストが残した作品たちによるものだそうです。

外観・内装共に魅力的なバックパッカーズですが、ここを何よりも特別にしているものが、「パーマカルチャー」というライフスタイルです。

パーマカルチャーって何?

「パーマカルチャー」と言われても何のことか分からない人は多くいると思いますので、簡単に説明させて頂きますね。

パーマカルチャー(Permaculture)とは、パーマネント(永久な)とカルチャー(文化)を組み合わせた造語で、自然の恵みを最大限に生かし、食べ物や資源も循環させる「持続可能なライフスタイル」のことです。

そのため、ここロンゴでは、オーガニック畑の土壌・肥料作りや、野菜の収穫・プランティングなどの体験ができます。肥料を作るのに、羊の糞を使うため、う○こ集めも大切な仕事です(炎天下の中、これはなかなかキツかった…)。

また野菜だけでなく、果樹園も作り始めており、5年後には完成するそうです。鶏やラムも自分たちの手で育ており、他にはハチミツ作りにも着手したそうです。

水は雨水を利用し、昼間はソーラー熱で、夜間は自分たちで火を起こしてお湯を作ります。そのための薪割りも欠かせない仕事です。

生ごみは肥料に使われたり、燃やせるものは暖炉などの火起こしに利用されたりと、すべてのものは循環しているということを、リアルに体験することができます。東京でしか育ったことがない僕にとって、このような体験ができたことは、1年半のNZ生活でも、最も意義のある経験でした。NZの秘境とも言える場所ですが、彼らのプロジェクトがたくさんの人に知ってもらえたらと思っています。

カラメア地産地消の食事が楽しめる

そんな「循環型」のライフスタイルを体験できるわけですが、さらにこのプロジェクトを素敵にしていると感じたのが「Rongo Kitchen」です。

ここロンゴではほぼ自給自足のライフスタイルなのですが、この「Rongo Kitchen」では、カラメア地産地消の料理を楽しむことができます。

ロンゴバックパッカーズのオーナー・ポールの奥さんである早苗さん(写真右)と、その妹の光代さん(写真左)がこのRongo Kichenで手料理を振る舞ってくれます。

早苗さんは3年前に「世界の果ての日本人妻」、今年1月には「世界の秘境に嫁いだ日本人妻」で特集され、それらの番組を見た人も多いかもしれません。妹の光代さんは、かつて東京でシェフとして働いていて、2人の作る料理は絶品です。(ありがちなお世辞では一切ありません!笑)

羊もすべて自分たちで育てたもの。僕が滞在した時はやりませんでしたが、羊も自らさばくわけです。普段何気なく肉や魚を食べていた僕ですが、ここでの食事は「命を頂く」ということを強く意識するようになりました。

食材や水、電気などの資源も、必要な分だけ食べる。使う。必要以上にモノを持たない、資源を使わない、食べ過ぎない。そんなことをリアルに体験できたことは、僕にとって大きな財産となりました。

日本を始め、経済を回すだけにフォーカスしてしまっている今の世界には強い危機感を感じざるを得ません。お金ですべてをコントロールするのではなく、この地球の限られた資源を循環させていく。この考え方は、これからの生き方を考える上で、とても大切なキーワードになると僕はそう信じています。

そんな貴重な体験ができるカラメア。少しアクセスは大変ですが、ぜひ足を運んでもらいたい、そんな場所です。

Rongo Backpackers

住所:130 Waverley St, Karamea 7893
電話:0064-3-782-6667
ウェブサイト(日本語) | Facebookページ

素敵なお知らせ

そして最後に、素敵なお知らせがございます。

ここカラメアで暮らすポールと早苗さんが、11・12月に日本に一時帰国されるのですが、僕のNZ写真展&トークライブ「Less is More」の横浜(11/20)、大阪(11/26) 、京都(11/27)、東京(12/3)会場にゲストスピーカーとしてご参加頂くことが決定しました!

なぜカラメアで暮らすのか、なぜパーマカルチャーをカラメアでやっているのかなど、お二人の生の話を聞ける貴重な機会ですので、ぜひ写真展会場に足を運んで頂けたらと思っています。(※詳細は下記をご覧ください)。

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

次回の予告

次回は、黄金色に染まるNZの魅力について。

日本とは季節が真逆のNZは4月後半から5月上旬にかけて、ポプラの木が「黄金色」に染まります。どの季節も美しいNZですが、個人的にはこの時期が最も美しいと思っています。その黄金色に染まったNZの絶景写真をたっぷりとお届けしていきます。ぜひ次回もご覧ください。お楽しみに!!!

シリーズを通してご覧になりたい方はこちらをご覧ください。

コラム:写真家・富松卓哉のNZ紀行 全11回

富松卓哉 「NZ写真展&トークライブ」スケジュール

総動員数1000人を目指して。NZ写真展&トークライブ「Less is More -より少なく より豊かに-」を2016年10月より日本全国ツアーをスタートさせました。

10/8(土) 福岡 「FUCA」 終了
10/9(日) 佐賀 「CAFE木と本」 終了
10/10(月・祝) 熊本 「未来会議室」 終了
10/29(土) 名古屋 「TOLAND」
11/20(日) 横浜 「さくらWORKS」
11/26(土) 大阪 「会ふ afu 大阪の古民家」
11/27(日) 京都 「ビアバル QOO」
12/3(土) 東京 「SOOO dramatic & reboot」

※詳細はFacebookにて随時アップしていきますので、そちらをご覧ください。写真展詳細はこちらから

プロフィール

富松卓哉(トミマツタクヤ)

フリーランス・フォトグラファー
日本とニュージーランドを繋ぐ「スウィートアズ」代表
Facebook | instagram

1986年生まれ。会社員時代、体調不良をきっかけに退職。「世界一周」を夢見て、1カ国目にニュージーランドへ。数カ月の滞在予定が、NZの大自然やライフスタイルに魅了され、結局1年4ヶ月間滞在。帰国後、2度にわたるNZ写真展&トークライブを開催。現在は日本とNZを行き来しながら、NZでの生活で学んだ「自分らしく自然体で生きる」こと、「Less is More」というライフスタイルを実践、伝える活動をしている。

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