世界一美しい遊歩道ミルフォードトラックの奇跡②|写真家・富松卓哉のNZ紀行03

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皆様、こんにちは!ゲストライターの富松卓哉です。
毎週月曜日、全11回に渡って紹介している「写真家・富松卓哉のNZ紀行」第3回目となります。

今回は、前回に引き続き、「世界一美しい遊歩道」と称賛されているミルフォード・トラックの後半戦の出来事について書いていきます。

3・4日目の天気予報が雨のため、本来は3日目に訪れるはずの「マッキノンパス」を、2日目に一足先に訪れ、感動で魂が震えるほどの絶景と出会いました。もうこれ以上望めまいと、後半戦は雨を覚悟して望んだのですが…

しかし、後半戦もまた信じられない光景と出会うことになりました。こんな景色を見せてもらったことへの恩返しになるかはわかりませんが、皆様にもその感動をお伝えしていこうと思います。今回もぜひ最後まで期待して読んでみてくださいね。

それではミルフォード・トラック、後半戦に参りましょう。

ミルフォードトラックの前編を含めたシリーズを通してご覧になりたい方はこちらをご覧ください。

コラム:写真家・富松卓哉のNZ紀行 全11回

ミルフォード・トラック3日目

3日目の朝。雨は降っていなかったものの、山小屋周辺は深い霧に包まれていました。マッキノンパスへ向かう途中も周辺一帯はずっとまっ白。「昨日のうちに登っておいてよかった」と胸をなで下ろしながら、ゆっくりと登っていきました。

マッキノンパスに到着しても、周辺はまっ白。昨日見せてくれた絶景は深い霧に包まれ、何も見えません。

期待していた他の登山客は少し落ち込み気味。それもそうです。1年以上前に予約をして、この日を楽しみにきた人もたくさんいるわけですから。

しかし、待つこと30分。一瞬、上空に青空が見えました。登山客にも少しばかり活気が出てきました。そして待つことさらに5分すると…

次の瞬間、雲は自分たちの下、つまり、目の前には雲海が広がっていました。昨日とは全く違う雰囲気を見せてくれ、またもや感動で泣きそうになりました。

他の登山客も大喜び。朝の柔らかい光に包み込まれた「マッキノンパス」は昨日とは異なる、より神々しい雰囲気を醸し出していました。

前回も書いた通り、この国立公園の周辺一帯は、年間300日以上も雨が降ると言われています。そんな中で2日連続、しかもマッキノンパスで晴れてくれるなんて…奇跡としか言いようがありません。

ちなみに日本にいた頃の僕は恐ろしいほどの雨男でした。小学校の遠足では晴れた記憶がないほどです。どうやら、南半球に来てから晴れ男になったみたいです(笑)

上の写真に写っているご夫婦。イギリスからこのミルフォード・トラックを登るためにNZを訪れたそうで、なんと1年以上も前に予約していたみたいです。「忘れられない1日になったね」と、旦那さんと笑顔で話していたのがとても印象的でした。

ちなみに、マッキノンパスには下の写真のような記念碑があります。ここマッキノンパスは、1888年、クインティン・マッキノンとアーネスト・ミチェルにより開拓され、彼らのトラック開拓の労を讃えるために作られたそうです。

彼らのお陰で、このような感動的な場所と巡り合えたことに感謝せずにはいられません。言葉にすると薄っぺらく感じてしまうほど、マッキノンパスは360度、素晴らしい絶景が広がっていました。この瞬間を忘れまいと、心と目に焼き付けて、その場を後にしました。

しかし、3日目の見所はここで終わりではありません。

マッキノンパスから歩くこと数時間、NZ最大の滝「サザーランド滝」があります。落差はなんと580m。世界でも5番の高さを誇る大瀑布だそうです。

写真では分かりにくいのですが、中心部右側から流れ落ちている滝が「サザーランド滝」です。滝の近くまで行くと…

真下まで行くと、その高さと、そこから流れ落ちる滝の水しぶきの強さに圧倒されます。吹き飛ばされそうになるほどの水しぶき。ちなみに近くまで行くと、びしょ濡れになるのでご注意を。

そんな見所たっぷりの3日目。見事、天気予報を覆し、ずっと快晴。またもや素晴らしい1日となりました。いよいよ明日、最終日を迎えます。

なぜミルフォードトラックは「特別」なのか?

最終日、の前に少しだけ余談。ミルフォードトラックが「特別」と言われるのは、もちろんその「美しさ」が1番の理由ですが、実は他にもいくつか理由があります。

その1つが、「一方通行」であること。

「何のことだがよくわからない」という人もいると思いますので、他のGreat Walksを例に挙げて説明していきますね。

NZで人気のトレッキングコースの1つに「ルートバーン・トラック」というコースがあります。全長33kmの中にいくつか山小屋があり、多くの人は2泊3日で歩きます。

しかし、ゆっくり景色を楽しみたい人は3泊4日、体力に自信のある人は1泊2日、と自分で宿泊先や宿泊数をアレンジできるんです。しかも右回り・左回り、どちらからでもスタートできますし、ある山小屋まで歩いて引き返す、みたいなこともできます。

しかしミルフォードトラックは、それができません。予約した時点で、3泊4日、決められた日に、決められた小屋に泊まる必要があり、逆方向ルートを歩くことも許されていません。

入山規制がとても厳しく、ミルフォードトラックに踏み入れることができるのは、1日わずか40人。日本のようにピークシーズンはお客さんが溢れて、登山道に行列ができる…なんてことがないので、その大自然を存分に楽しむことができます。ツアー参加やガイド付きウォークの方もいるので正確な数はもう少し多いですが、どちらにせよ、予約なしに入山することはできません。

お金儲けではなく、自然を守ることを何よりも優先しているNZ。わずか40人だけが「世界一美しい遊歩道」を存分に味わうことができるからこそ、ミルフォードトラックは特別なんですね。

もしミルフォードトラックを歩かれる方は、その辺りもぜひ十分に噛み締めながら歩くとより、感慨深いものになるのではないでしょうか?

ミルフォードトラック最終日

色々な意味で、どこよりも「特別」なミルフォードトラック。いよいよ最終日を迎えました。この3日間があまりに感動的だったので、「いよいよ今日が最終日か…」と寂しさを感じながら、朝を迎えました。

最終日は、初日と同じように原生林に囲まれた谷沿いを歩きながら、ゴールを目指します。見所はそれほど多くありませんが、所々に美しい滝と出会いました。

手付かずの大自然の中、ということもあって、その水はどこまでも美しく透き通っていました。人が手を加えなければ、自然というのはここまで美しいものなんですね。

そして、いよいよゴール地点が近付いてきます。53.5kmと聞くと、とても長い距離に思えるかもしれませんが、本当にあっという間でした。むしろまだまだ終わらないで欲しい…ゴールに近付けば近付くほど、そんな気持ちが強くなっていきました。

そして、ついにゴール地点「サンドフライ・ポイント」に到着。トラックを終えた全員が、とても充実した表情を浮かべていました。

ただし。ただし。
ハッピーエンドだけでは終わらないのが、このミルフォードトラック。最後に強烈な、とんでもなく強烈なものを用意してくれていました。先ほど僕が言ったゴール地点の名前、覚えてますか?

「サンドフライ・ポイント」

サンドフライ…この名前にゾッとする人もいるのではないでしょうか?そう、NZで最も有害な生き物と言われる超厄介な「虫」です。

見た目は小さなハエ。噛まれると、2週間近くも痒みと腫れが続きます。他のところではありますが、僕はサンドフライに顔を2カ所刺され、おたふくのように顔が腫れあがってしまったことがあります。特に女性の方、NZで登山するときはくれぐれも気をつけてください。

NZの海岸線の地図を作成した、探検家のジェームズ・クックはサンドフライを「最も有害な生き物」と書き残しているほどです…。感動の余韻に浸りたいところなのですが、ゴール地点はサンドフライが恐ろしいほど生息しており、注意しないと大変なことになります。

登山客全員がゴール地点にある小屋に避難。登山靴も脱がず、顔にタオルを巻くなど、万全の状態で、ボートを待ちます。時間になると、ボートが迎えに来てくれ、やっとサンドフライの呪縛から解かれました。

色んな意味で、最後の最後までエピソード満載なミルフォード・トラック。やっぱり美しさも、インパクトも群を抜いていました(笑)

ミルフォード・トラック最後のプレゼント

ミルフォードトラックとしてはここで終了なのですが、実は最後にもう1つ、大きな見所が。それは、あの観光地として有名な「ミルフォードサウンド」。クイーンズタウンからツアーもたくさんあり、訪れたことのある方も多いのではないでしょうか?

氷河によって垂直に削り取られた山々が、1,000m以上に渡って海面からそそり立つドラマチックな眺めは、この国を代表する風景の1つ。厚い雲に覆われていましたが、こんな物々しい雰囲気のミルフォード・サウンドもなかなかかっこよかったです。

しかし、ドラマはここで終わりません。時間が経つにつれ、少しずつ雲がはけていき…

そう、晴れてくれたんです。

この周辺の天気は、本当に気まぐれ。だからこそ、予報が「雨」でも晴れることもあれば、その逆もしかり。なので、雨予報だからといって気落ちせず、晴れの予報でも雨具を持ち歩くなどの心構えと準備が、NZを楽しむ上で必要なことかなと思います。

ミルフォード・トラックを終えて

3泊4日、全53.5kmを終えて、心地良い疲れと、今まで感じたことのない達成感に包まれました。間違いなく、ずっと心に残り続けるであろう景色だと思います。ゴールした時は込み上げてくるものがありました。

実は、この「ミルフォード・トラック」がきっかけで、僕は帰国後、ニュージーランド写真展を開催することを心に決めました。写真を通して、コラムを通して、この言葉にできないような素晴らしい経験をたくさんの方にお伝えしたい。このような場を通して、皆様にお届けできること、とても嬉しく思っています。

2016年10月から日本全国にて「ニュージーランド写真展&トークライブ」を開催します。詳細は下記にありますので、そちらからチェックしてみてくださいね。

次回の予告

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!2週に渡って、世界一美しい遊歩道「ミルフォード・トラック」について書かせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?

次回は、NZの各地で撮り続けた「星空」の写真を皆様にお届けしたいと思います。世界で最も星空観測に優れている国の1つ、NZ。なぜNZの星空はこんなに綺麗に見えるのか?星空を綺麗に撮るためのテクニックも説明しながら、NZの星空の魅力をたっぷりとお伝えしていきます。それではまた来週月曜日にお会いしましょう!

シリーズを通してご覧になりたい方はこちらをご覧ください。

コラム:写真家・富松卓哉のNZ紀行 全11回

プロフィール

富松卓哉(トミマツタクヤ)
フリーランス・フォトグラファー
日本とニュージーランドを繋ぐ「スウィートアズ」代表
Facebook | instagram

富松卓哉 「NZ写真展&トークライブ」スケジュール

総動員数1000人を目指して。NZ写真展&トークライブ「Less is More -より少なく より豊かに-」を2016年10月より日本全国ツアーをスタートさせました。

10/8(土) 福岡 「FUCA」 終了
10/9(日) 佐賀 「CAFE木と本」 終了
10/10(月・祝) 熊本 「未来会議室」 終了
10/29(土) 名古屋 「TOLAND」
11/20(日) 横浜 「さくらWORKS」
11/26(土) 大阪 「会ふ afu 大阪の古民家」
11/27(日) 京都 「ビアバル QOO」
12/3(土) 東京 「SOOO dramatic & reboot」

※詳細はFacebookにて随時アップしていきますので、そちらをご覧ください。写真展詳細はこちらから

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