世界一美しい遊歩道ミルフォードトラックの奇跡①|写真家・富松卓哉のNZ紀行02

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ゲストライターの富松卓哉です。毎週月曜日、全11回に渡って紹介している「写真家・富松卓哉のNZ紀行」第2回目となります。

今回ご紹介するのは、数多くの地を訪れた中でも、最も感動したトレッキングコースのお話。世界一美しい遊歩道と言われる「ミルフォード・トラック」について、2回に渡って、たっぷりとお届けしていきます。

「トレッキングには興味がないんだけど…」という人も最後までぜひ読んでみてください。トレッキングやってみようかな、と思わせてくれるほどの体験談と写真をお届けします。そしてトレッキング好きの方、断言します。一生に一度は行くべきトレッキングコースです。

なぜ、ミルフォード・トラックは「世界一美しい」と言われるのか?

そう呼ばれるのには、やはりその理由があるからです。その「世界一」の理由を、2回に渡って読み解いていこうと思います。

それでは心の準備はよろしいでしょうか?
世界中のトレッカーを魅了してやまない「ミルフォード・トラック」。3泊4日、全53.5kmで出会った数々の奇跡を皆様にお届けします。

Great Walksとは?

まず、ミルフォード・トラックの話に入る前に…
皆さん「Great Walks」をご存知でしょうか?

初めて聞いた、という方のために簡単にご説明しますね。

NZにはDOC(Department of Conservation)という役所があり、そこがNZ全体の環境・自然を保全管理しています。そのDOCが定めるトレッキングコースの中で「最も景観が素晴らしい」と定めているコースを「Great Walks」と呼んでいます。

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NZには9つのGreat Walks があり、その中でも最も美しいと言われ、世界中のトラッカーを魅了し続けているのが「ミルフォード・トラック」です。

Great Walksのほとんどが3~4日間のコースですが、難易度はさほど高くありません。寝袋や食事・調理器具を持っていかないといけませんが、コースもしっかり整備されており、体力的には富士山と比べてもずっと楽です。山小屋もとても綺麗に整備されているため、女性も安心して宿泊することができます。トイレも驚くほど綺麗です。僕は今まで7つのGreat Walksを歩きましたが、どれも素晴らしいコースばかりで、NZを訪れた際は、山好きの方にはぜひチャレンジして欲しいです。


Great Walksの1つ「ケプラー・トラック」からの眺め

NZには世界的に人気のトレッキングコースが多々ありますが、その中でも予約が「超困難」と言われるミルフォード・トラック。中には1年以上も前から予約をする人もいるそうです。ちなみに僕が登ったのは2014年1月26日。予約はわずか2週間前にしました。

「え、たったの2週間前?どうやって予約できたの?」

よくそんな風に聞かれるのですが、1人であれば実はそんなに難しいものでもないんです。毎日、DOCのサイトを確認し続ける。それだけ。

これはDOCに勤めている方から教えてもらった方法なのですが、必ずどこかでキャンセルが出るからチェックし続けなさいと言われ、毎日チェックしていたところ…2週間後に空きが!!!すぐさま僕は予約し、それに合わせて、旅の計画を立てていきました。

ミルフォード・トラック初日

そんな中で迎えたミルフォード・トラック初日。「世界一美しい」と評されるだけあって、ワクワクして夜も寝られず…というのは実はウソ。

NZの旅をスタートしてから約1ヶ月、既にたくさんのトレッキングコースを歩き、数々の絶景に感動しっ放しだったので、逆にそろそろ感動が薄れるんじゃないの?期待外れなんじゃないの?とやや懐疑気味で初日を迎えました。

そんな中、天気は曇り。Te Anauという街からバスで約30分、そこからボートに乗り換え、さらに1時間30分。いよいよスタート地点に到着。スタート地点では、こんな感じで外来種を持ち込まないように靴底を消毒する必要があるんです。

そして、記念撮影などは基本しない僕ですが、何と言っても「世界で最も美しい遊歩道」なんてみんなが口を揃えて言うもんですから…パチリと記念撮影。完全にミーハーです、はい。

記念撮影を終え、いざスタート。スタート地点は原生林の森の姿はこんな感じのジャングル。

ミルフォード・トラックが位置するフィヨルドランド国立公園一帯は年間降雨量がなんと7000mm。1年で300日近く雨が降る世界有数の多雨地帯みたいです。つまりほとんど晴れることはないわけです。

初日はわずか5kmという短い距離でしたが、ロビンという鳥が周りをうろちょろ飛び回ったり(コイツが人懐っこくて可愛い)、ふっかふかの赤い湿地帯が現れたり、さっそく不思議な体験ができました。

と言っても初日のお話ができるのはこれくらい。残りに備えてこの日はゆっくり身体を休めました。

ミルフォード・トラック2日目

そして迎えた2日目。この日はかなり早起きして、先を急ぎました。それには「ある理由」があったからです。

3日目に最大の見所に「マッキノンパス」というポイントがあります。しかし、3日目の予報は雨。2日目は幸運にも晴れの予報だったので、それならば今日のうちにマッキノンパスまで見に行こう!そう決めた僕は、早起きして先を急ぎました。

山小屋を離れると、しばらくは美しい清流に沿って歩きます。早朝に出たこともあって、朝日が差し込む清流は優しい光に包まれていました。コースを進むにつれ、徐々に景色はひらけてきて、朝日を浴びた植物からは蒸気が上がり、神々しい雰囲気に包まれました。

お昼過ぎには2日目の山小屋に到着。荷物を預け、昼食を澄まし、足早にそのまま最大の見どころ「マッキノンパス」を目指しました。ここからマッキノンパスまではしばらく登りが続きますが、カメラ以外の荷物のほとんどを置いていたのでサクサク登っていきました。

森林限界を越え、少しずつ景色が開け、いよいよマッキノンパスに近付いていきました。
そして目の前には…

「世の中にこんな美しい場所はあるのか…」

山脈に抱かれた360°の大パノラマを目の当たりにし、僕は言葉を失っていました。「写真家」として言ってはいけないセリフかもしれませんが、写真でも決して表現できないほどの絶景が目の前には広がっていました。それほど、マッキノンパスからの眺めは圧巻でした。

実を言うと、すでにGreat Walksを5つ制覇して、たくさんの絶景を見てきた僕は、ミルフォード・トラックにさほど期待していませんでした。正直ここまで凄いとは思ってなくて、ひたすらシャッターを押し続けました。何時間でもここにいたい。そう思える景色が目の前に広がっていました。

少し大げさに聞こけるかもしれませんが、僕は初めて景色を見て泣きました。数年前には父親が他界し、僕自身は身体を悪くして、まともに歩くことすらできなかった時期があったわけですが、この景色を見ながら、そんなことを走馬灯のように思い出してしまったんですね。

「生きててよかった」

この景色を目の当たりにして、心からそう思えました。そして、そう思える瞬間を、これからもたくさん作って行こう。人生の最後に「最高に楽しい人生だった」と言えるように。この景色を見ながら、そう感じたのを今でも鮮明に覚えています。

今でも、目を閉じると、あの時の景色、空気感、匂いが蘇ってきます。恐らく2時間以上、ここで写真を撮り続けていたのではないでしょうか。

マッキノンパスでは、NZに生息するKeaとも遭遇しましたが、実はコイツがなかなかの曲者でして…。強い脚とくちばしを持ち、頭が良く、油断していると荷物などを荒らされることもしばしば。 物怖じしない性格のために、写真をゆっくり撮ることはできました(笑)

ほとんどの登山客は、山小屋で2日目を終えていたので、マッキノンパスを完全に1人占め。息を呑むほど美しい絶景をたった1人、まるで別世界にいたかのような、今までの経験したことのない不思議な感覚でした。どんな言葉を使っても、その感動をうまく表現できないほどの感動を味わさせて頂きました。ぜひ、一生に一度は見て欲しい絶景です。

ここを離れるのがとても惜しかったのですが、日も暮れ始めたため、その後山小屋へと引き換えし、ミルフォード・トラック、感動の2日目が終わりました。そして、明日からいよいよミルフォード・トラック、後半戦へと入っていきます。

次回の予告

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。皆様に、僕の写真でどこまで、ミルフォード・トラックの雰囲気をお伝えできたかわかりませんが、いかがでしたでしょうか?

ここまで天気に恵まれた前半戦でしたが、3・4日目の予報は雨…。この後は一体、どんな結末が待っているのでしょうか?次週、ミルフォード・トラック後半戦の3・4日をたっぷりとお伝えしていきますので、ぜひ次回も読んで頂けたらと思います。お楽しみに!

シリーズを通してご覧になりたい方はこちらをご覧ください。

コラム:写真家・富松卓哉のNZ紀行 全11回

プロフィール

富松卓哉(トミマツタクヤ)
フリーランス・フォトグラファー
日本とニュージーランドを繋ぐ「スウィートアズ」代表
Facebook | instagram 

富松卓哉 「NZ写真展&トークライブ」スケジュール

総動員数1000人を目指して。NZ写真展&トークライブ「Less is More -より少なく より豊かに-」を2016年10月より日本全国ツアーをスタートさせました。

10/8(土) 福岡 「FUCA」 終了
10/9(日) 佐賀 「CAFE木と本」 終了
10/10(月・祝) 熊本 「未来会議室」 終了
10/29(土) 名古屋 「TOLAND」
11/20(日) 横浜 「さくらWORKS」
11/26(土) 大阪 「会ふ afu 大阪の古民家」
11/27(日) 京都 「ビアバル QOO」
12/3(土) 東京 「SOOO dramatic & reboot」

※詳細はFacebookにて随時アップしていきますので、そちらをご覧ください。写真展詳細はこちらから

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