医療費は無料でも手術待ちに半年1年は当たり前 ニュージーランド

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今日は全然「いいね」ではないお話です。
以前、テレビで「ニュージーランドは医療費が無料」と紹介されるなどして、「ニュージーランド 医療費 無料」というキーワードで日刊ニュージーランドライフを訪れてくれる方が増えました。

もしかしたら、そういう検索で来る方たちは特に知りたいかもしれない手術にまつわるいろいろ考えさせられる話がニュージーランドの新聞サイトstuff.co.nzに掲載されていたので、紹介したいと思います。

ニュージーランドは風邪などは医療費がかかる

待合室

今日の記事を紹介する前に予備知識として、ニュージーランドの医療のことに少しだけ触れておきたいと思います。

まずニュージーランドでは「医療費無料」といわれているんですけど、実際はGP(かかりつけの医者)に会って風邪や、ちょっとした病気を診てもらっても無料ではありません。

病院によっても金額が違うんですけど、診察で30-40ドル。場合によってはそれ以上と、さらに薬局で薬を買わなければなりません。クライストチャーチとウェリントンでGPにかかった時、薬は1種類5ドルでした。つまり3種類処方されると15ドルかかります。

日本の3割負担を考えると1回GPに行って診察代30-40ドル+薬代10ドルだったとして、40ドルから50ドル(3,000円から4,000円)はけっして安くありませんね。これより高くなることもよくあります。

では「医療費が無料」は何が無料なのかというと、GPの手に負えず公共の総合病院や専門科医に診てもらった場合や、手術を受けた時に初めて無料になります。

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ニュージーランドで手術を受ける場合

ところでニュージーランドには公共の病院と私立病院があります。
「医療費が無料」といわれているのはこの公共病院で、私立病院で診てもらうのは全額負担なので一般的には医療保険に入って、その保険で治療費をカバーすることになります。

ニュージーランドでは日本と違って自分の意志や選択で、専門医に会うことができません。
まずはGPに行って診てもらい、GPが手に負えないと判断した場合のみ、GPからの紹介で専門医に診てもらうことができます。

手術も同じで、GPが「手術が必要」と判断しなければなりません。
そして手術の場合、GPが「手術が必要」と判断して初めて「ウェイティングリスト(手術をするための順番待ちリスト)」に名前を連ねることができます

17万人以上がウェイティングリストにすら載れない事実

Wellington Hospital

Stuff.co.nzの記事「174,000 Kiwis left off surgery waiting lists, with Cantabrians and Aucklanders faring worst」によると、ニュージーランドでは年間35万人が何らかの手術を受けています。

そして28万人が「手術を受けたほうが良い」とされていて、そのうちウェイティングリストに名前を連ねているのは11万人とのことです。つまり残りの17万人は手術を必要としながらも、ウェイティングリスト(手術をするための順番待ちリスト)に名前を連ねることすらできていません。

この状況はオークランドやクライストチャーチを含むカンタベリー地方で特にひどく、Canterbury Charity Hospitalの創設者Phil Bagshawによると、オークランドは人口の8%、カンタベリー地方では人口の10%が何らかの手術を必要としているのに、ウェイティングリストに載せてもらえません。

ところでBagshawの調査によると公共の病院で手術を行う場合、GPが「手術が必要」と判断してから、実際に手術を受けられるようになるまで平均で約半年の177日かかるとされています。これが全額負担の私立になると期間は一気に短縮され76日で受けられるそうです。

もちろんこの日数は緊急度合いによって大きく変わります。
今、命にかかわるような場合は緊急手術が行われますし、逆に1年以上待たなければならないケースも多く見られます。

医療の自由度でいうと日本はかなり良い

今回のような手術はもちろん、例えば日本では「あの病院の〇〇先生は花粉症の名医」と聞けば、自分でその病院に訪れ、診察や治療をしてもらうことができますね。ところがニュージーランドではそれができません。まずはGPです。

また手術も半年、1年待てば病状は悪化していきます。しかも、そのあいだ元気でピンピンしていれば良いんですけど、なかなかそうもいきません。具合が悪かったり、どこか痛い状態を日々我慢し続けなければならないんです。

普段、できるだけニュージーランドの良いところを紹介しようと思っていますが、今回の話もニュージーランドの現状なので紹介することにしました。

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