4万人の寄付でエイベル・タズマンのビーチが遂に落札

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少し前から数回にわたって紹介してきたエイベル・タズマンの私有地が売りに出ていた話がある程度の決着が付きました。

そこで以前からお伝えしていたとおり、完結編として結果どうなったのかを紹介していきたいと思います。

そもそもの始まりは私有地の売却から

今回のニュースはエイベル・タズマンの私有地が売りに出たことがすべての発端でした。

エイベル・タズマンの奥地に「Awaroa Inlet」と呼ばれる入り江があります。土地の広さは東京ドーム1.5個分にあたる7万平方メートル。

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これがその土地です。この土地には800メートルにも及ぶ白い砂浜のビーチとエイベル・タズマン国立公園に繋がる原生林、そして3つの建物が含まれています。

もともと現在の土地の所有権を持つオーナーは200万ドル、日本円で1.6億から1.8億円を提示してオークションがスタートしました。

これはすごい!エイベル・タズマン国立公園内のビーチ&家が売りに! | 日刊ニュージーライフ

この土地を個人の資産家や企業に買わせてはいけない

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ところでAwaroa Inletの現在のオーナーはビーチを市民に開放しているため、一般の人たちも立ち入ることが出来ます。ところがもし個人の資産家や企業が購入してしまうと、一般の人たちはこの土地に入ることができなくなってしまいます。

また今は自然が残された非常に美しい環境を、新しいオーナーがリゾート地として開発してしまったら、今の良さは完全に失われてしまいます。

この土地のオークションが始まってしばらくしたある日、クライストチャーチに住む男性Duane MajorとAdam Gardenerの2人を中心とした数人が「個人の資産家や企業にこの土地を渡してはならない」と一躍発起しました。

そうはいっても自分たちで買うことはできないので、200万ドルをクラウドファンディングで集めることにしました。アイディアとしては2000人がこの計画に賛同すれば単純計算で1人1,000ドル(85,000円)、さらに1万人が賛同すれば1人200ドル(17,000円)の寄付で購入できるのでは?と思い立ったわけです。

そしてもし目標金額に達した場合は、自分たちの土地にするのではなく国に返還して、再び個人や企業の手に渡らないようにしようとしました。

日刊ニュージーランドライフで紹介したのは、クラウドファンディングは終了まで3日の時点で目標の200万ドルに対して190万ドルが集まったところまででした。

エイベル・タズマンのビーチは無事国民の手に

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クラウドファンディングは目標の200万ドルを達成した時点で、最終金額が伏せられました。

というのもエイベル・タズマンの土地を買いたい人が他にもいたため、最終的にクラウドファンディングでいくら集められたのかバレないようにするためでした。

そしてその最終的な金額とともに今朝、オークションの結末が発表になりました。

最終的に集まった金額は227万8,171ドル(約2億円)、寄付した人は39,249人いました。つまりニュージーランドの人口は450万人なので100人に1人、110人に1人の割合で今回のクライドファンディングに参加したことになるわけですね。

日本で100人、110人に1人といったら120万人弱が寄付したということです。どれだけ多くの人たちの関心を集めたのかがわかると思います。

ちなみに外国人の寄付もできるはずなので「厳密」なところは少し違うんでしょうけどね。

そして現在の土地の所有者などを交えて協議を行った結果、他の購入希望者をおさえて、今回のクラウドファンディングが土地を落札できることになりました。

ただし結局クラウドファンディングの資金だけでは足らず、環境省が不足分を出すことになりました。この不足分がいったい幾らだったのかは公表されていません。

クラウドファンディングの新しい使い方

North Head and Frenchman's Lagoon at Low Tide

今回の出来事に対して環境省のMaggie Barryはインタビューに対してこのように答えていました。

素晴らしい結果である。ニュージーランド人の良いところが出たと思います。私は今回の出来事がすごく好きです。なぜかというとニュージーランドに住む人たちが「言う」だけでなく、実際に「行動」を起こして少しずつのお金が集まって、結果として大きな成果を生みました。

このインタビューを読んで、確かにそうだなと思いました。
何かに対して文句をいうだけでなく実勢に行動に移して、しかもそれが4万人もの人を動かしたことは本当に凄いことだと思います。

それにクラウドファンディングは自分の中のイメージとして、企業が何か製品開発をするための費用を集めたり、個人が何か活動資金を集めるために使うものだと思っていました。

ところが個人がファンディングをはじめて、最終的に国に返すという使い方があるんですね。

今回のことでエイベル・タズマンにあるAwaroa Inletは公共の土地になります。
もともとエイベル・タズマンの奥地にあるので、気軽に行くことはできないんですけど、いつかこの土地を訪れて、今回の出来事を思い出してみたいなと思いました。

今後また続報が入ったら紹介していきます。

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