世界一の羊の国ニュージーランド 羊の数に陰り

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ニュージーランドと言えば日本人なら誰もが思い浮かべるのは「羊」ではないでしょうか。

本やブログ、ウェブサイトのタイトルなどにも「羊の国ニュージーランド」という言葉がよく使われていますね。
ところが最近のニュースでニュージーランドの羊が年々減り続ける傾向にあることが取り上げられていました。一番多かった時期と比べると6割弱も減少してしまったそうです。

そこで今回は、どのくらいの勢いで減っているのか、またその原因や今でもニュージーランドは羊の国なのかどうかを紹介していきたいと思います。

30年で6割弱の羊が減ってしまった

Motorhome south island sheep
© Motorhome Rental

ニュージーランドが羊の数を調査しはじめたのは1940年代でした。
それから羊の数は徐々に増えて、一番多かった1982年には人口320万人に対して7,000万頭の羊がいました。これは国民ひとり辺り21.9頭の羊がいた計算になります。

ところがそれから30年経って人口は1.4倍の450万人に増えましたが、羊の数は3,000万頭にまで減ってしまいました。
これは当時から比べると6割減にあたります。国民1人あたりの羊の所有数は6.7頭なので1/3以下になってしまいました。

直近1年で羊は3%、数にして100万頭減っていて、1982年から見ても毎年2.5%ずつ羊は減り続けています。

原因としてあげられているのは、羊を育てる人が減りその代わり乳牛を育てる人が増えていることです。
それとここ最近の異常気象で深刻な水不足が続き、エサとなる草が育たず飼料を買わなければいけなくなるなどコストが上がったり、エサがないことでなくなく殺さざるを得ない羊が多くいたことも挙げられていました。

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こここまで数が減ってくると「羊の国ニュージーランド」では、すでになくなっているような気がしてきますね。

実際のところはどうなのでしょうか。

もともと羊の数が一番多い国ではないニュージーランド

実はニュージーランドはもともと「羊の数」で言うと世界一ではありません。

2012年の調査によると、羊の数が一番多い国は中国で1億9000万頭もの羊がいるんです。ニュージーランドは3000万頭なので6倍以上保有しています。そして2位がインドの7,500万頭。ニュージーランドの2倍以上です。

ではニュージーランドが何位かというと7位なんですね。
なーーんだ。もともと「羊の国ではなかったのか」とこれだけを見ると思うんですけど、「人口1人頭の保有数」で見ていくとニュージーランドは激減したと言われる3,000万頭で計算しても羊の数の保有数が多いトップ10の国の中ではダントツの1位なんです。

Penguin vs Sheep
© Eric Brochu

中国に至っては人口が圧倒的に多いので1人頭0.14頭、2位のインドは0.06頭しかいません。

ところが今度は別の視点、「1平方キロメートルあたりの羊の数」で見ていくとニュージーランドは1位ではなくなってしまいます。
1位に躍り出てくるのはイギリスです。イギリスは羊の数はニュージーランドより少し多い3200万頭で、国の面積はニュージーランドより少し小さいために「1平方キロメートルあたりの羊の数」で考えた場合、イギリスの方が少しだけ多くなります。

数で言うとニュージーランドは1平方キロメートルあたり115.6頭、イギリスは132.8頭います。この2つの国が群を抜いて数が多いことがわかりました。

裏を考えると切ない話

ニュージーランドにたくさんの羊がいることでドライブをしているとたまに見かけるし、すごく可愛いのは良いことですね。
春になって子羊が飛び跳ねているのを見ると、車を止めて少し遠くから眺めているだけで楽しいです。

でも、それは裏を返せば、それだけの羊がラムやマトンと言う食肉になるために命を失っているんですね。
ニュージーランドは年間何十万トンものラム肉を世界中に出荷しています。ある調査で1頭の子羊(55キロ)から取れるラム肉は25キロほどと書いてありました。つまり仮に50万トンのラム肉を出荷した場合、125万頭に相当するわけです。

もちろん世界中で見た場合、牛や鳥、豚など天文学的な数の動物が人間のために命を失っていることを考えたら、ごく一部の話なんですけどね。

Spring Lamb
© Tim Pokorny

何となくその数を考えると切ない気持ちになってしまいました。
羊に限らず肉を食べるときは無駄なく、そして感謝の気持ちを持たないといけませんね。

ちなみにオークランドの街中では絵はがきのような大量の羊を見るのはけっこう難しいです。
もしニュージーランドでたくさんの羊がいるところを見たいなら、オタゴ地方、タウポとウェリントンのあいだにあるマナワツ・マンガヌイ地方、そしてクライストチャーチ周辺のカンタベリー地方がニュージーランドで羊の多い場所なので行ってみましょう。

情報元
Sheep number lowest since 1943 | Scoop News
外務省: 羊の頭数の多い国
ほか

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