原発や化石燃料に頼らないニュージーランドの電力会社事情

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先日、アメリカの資源エネルギー庁のMary Warlickがニュージーランドに訪れて、ニュージーランドの発電事情を数日視察したことがニュージーランドの新聞New Zealand Heraldで報じられていました。

その滞在の中でニュージーランドの原発や化石燃料(石炭、天然ガスなど)に頼らない電力事情を称賛したそうです。そこで今日はそんなニュージーランドの電力会社事情について触れてみたいと思います。

再生可能エネルギーと枯渇性エネルギーによる発電

ここ数年、「再生可能エネルギー」という言葉をニュースや新聞で耳にすること多いと思います。再生可能エネルギーというのは、太陽光や風力、地熱など自然の力のことをいい、その力を使って発電することを「再生可能エネルギー発電」と言います。

Wind Turbine
© Ewan Munro

これと反対の言葉が「枯渇性エネルギー」といって、石炭や石油、天然ガス、またウランなど地下資源のエネルギーを指します。つまり火力発電や原子力発電はこの枯渇性エネルギーを使って発電していることになります。

再生可能エネルギー率80%のニュージーランド

ニュージーランドは2014年の時点で、再生可能エネルギーによる発電が全体の79.9%に達しています。

内訳は50%が水力、14%が地熱、そして風力で5%。残りの約10%をバイオエナジーや、太陽光、波力発電などで賄っています。残りの20%は火力発電です。

ニュージーランドには原子力発電所がありません。
というのもニュージーランドには「非核法」という法律が1984年に制定され、核の使用はもちろんニュージーランドの海域に原子力船などの立ち入りさえ認めない強い姿勢を保っているからです。

ちなみに10年後の2025年までに全体の90%を再生可能エネルギーに置き換えると政府は発表しています。

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一方日本はどうかというと、2015年4月28日に Bloombergで報じられた内容によると、経済産業省が2030年度までに電力の割合をどうしたいかという案を出したそうです。

それによると原子力発電の割合を20-22%、再生可能エネルギーを22-24%、火力発電が56%にするそうです。

現状でどのくらいの割合を占めているのかは記事には書かれていませんでしたが、2030年つまり15年後の目標がこの数字と言うことなので、原発の割合は20%以上あって、再生可能エネルギーの割合は22%より低いことは目にみえてわかりますね。

ニュージーランドは電力会社たたくさんある

ちょっと前置きが長くなりましたが、ニュージーランドには電力会社がたくさんあります。
細かいところを入れると10社以上あります。すべての会社が自分たちで発電して電気を販売しているわけではありません。一部の電力会社は発電する会社から電気を買い、顧客に販売する方法を取っています。

10社以上ある電力会社のうち5社(Contact Energy、Genesis Energy、Mercury Energy、Meridian Energy そして TrustPower)で全体の95%を占めています。それぞれが発電所であり販売店です。

それだけ電力会社があるので一応、価格競争みたいなことは起こっています。でもニュージーランドは電気代は本当に高いです。
夏でも100ドル(9,000円)くらい平気で行きます。冬場になったら200ドル(18,000円)は間違いなくかかります。大きな家になると300-400ドルと言う家もあるそうです。
そんなに電気代が高いと、冬の間はヒーターを付けることにビクビクしてしまいます。

Transmission Lines
© Chris Hunkeler

何でこんなに電気代が高いんだろう?という話を記事で書いたところ、読者の方に教えてもらったのはニュージーランドは日本と違って人が密集していないため、送電線が長く電気のロスや、送電線が切れたり維持費が非常に高いそうです。
電気に限らず、工業製品も大量生産すればするほど単価が安くなるっていいますもんね。それと同じなんでしょうか。

他に電力会社が多くて良いことは、それぞれが風力発電所や波力発電所など再生可能エネルギーを使った発電所を作り、自分たちがいかにクリーンなエネルギーを作っているか、社会に貢献できているか競争が行われていることです。ニュージーランド人は「クリーンでグリーンなこと」が好きなので、そういうところをアピールして顧客を得ようとするんですね。

ちなみに電力会社を変えたいときは、次の切り替えたい電力会社のホームページに訪れて、申す込みフォームに必要事項を入れたら割とすぐに切り替わります。特に工事は必要ありません。引っ越しをするときも引っ越し先がAという電力会社を使っていても、自分たちがBという電力会社を使っていたら、そのままBを使い続けることができます。

日本ではあまり馴染みがない感じで最初知ったときは戸惑いました。でも、すごくフェアで良いなと今は思っています。

個人的にはこう思う

Vistas de Shinjuku
© Antonio Tajuelo

日本はニュージーランドより人口が30倍もあって、しかもいろいろ混み合った問題があるんだと思います。

なので、ニュージーランドのように小回りを利かせていろいろ変えていくのは大変だと思います。
でも、日本の一般家庭には電力会社の選択肢がないというのはどうなんだろう?と思いました。

これが数社に分かれて原発を使うけど電気代が安いA社、値段はわりと高いけど再生可能エネルギーのみを扱うB社、再生可能エネルギーの利用率は低いけど原発は使わないそこそこの値段のC社と分かれていけば、あとは市民がどこから電気を買いたいか決められるから良いですよね。

結果、自然淘汰が行われます。
もし結果、多くの人が値段が安い原発を使うA社ばかりで、他の会社の経営が成り立たなかったとしたら、それは国民が選んだ道かもしれません。逆に多少高くても地球に優しいエネルギーを多くの人が選らんでいくことで、再生可能エネルギーの単価はドンドン下がっていくかもしれません。

国が違って規模やシステムが違うので、そのまま同じことはできないとしても、なんとか良い方向に変わっていって欲しいですね。

皆さんの意見もぜひ聞かせていただけたら嬉しいです。
コメントは日刊ニュージーランドライフのFacebookページか、このページ下のコメント欄によろしくお願いします。

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