2本の木を巡る騒動から思うニュージーランドの良さ

ここ数日、ニュージーランドの新聞やテレビ、ラジオなどで2本の木を切るか切らないかで持ちきりになっていました。

いつ日刊ニュージーランドライフで紹介しようか、迷っていたんですけどいったん落ち着きを見せ始めたので紹介したいと思います。「たかだか2本の木でしょ」と思う人もいるかもしれないこの問題いったい何があったのでしょうか。

樹齢500年と300年の木を切るか切らないか

オークランドの南西にティティランギ(Titirangi)という地域があります。
Titirangiに土地を所有するJohnとJaneは、その土地の真ん中に道を作るために木を切ることにしました。しばらく前にオークランド市役所からも許可を得て、木を切る業者が数日後に訪れる状態まで辿り着きました。

ところがその切る木の中に樹齢500年のカウリの木と樹齢300年のリムの木がありました。
そのことを知った人がFacebookにアップしたところ、多くの人の目に触れて一躍ニュージーランドで最も取り上げられているニュースに躍り出ました。

木を保護するための活動家は「木を切らない」と決めるまで木から下りないと、今日の昼過ぎまで3日間も木の上で生活をし続けたり、近所の人だけでなく遠方から木を見に行ったりしたほどです。


ニュースリポーターのTwitterで、木に登って抗議した男性の写真を見つけました。

そもそもその土地の所有者はたまたま樹齢500年と300年の木が生える土地を所有していたがために、大衆の注目に晒されてしまいかなり困惑したそうです。

結果的に今朝その土地の所有者が「それら樹齢500年と300年の木は切らない」という声明を出して、話は収束方向に向かっています。

自然保護への感心が強いニュージーランド

事件自体は小さな街で起こった2本の木を巡るちょっとした騒動程度だと思います。

今回のことで感じたのはニュージーランド人の自然保護に対しての感心の強さです。「たった2本」と言ってはいけないのかもしれないんですけど、でも「2本の木」を守るために、活動家は木の上で3日間生活をして、周りの人たちは彼に食事をあげたりサポートをしました。それに各メディアはトップニュースでこのニュースを紹介してきました。

Tui in a kauri tree at dusk
© John Johnston

またそのニュースに対してオンラインの各種ニュースサイトでは1つの記事に対して1,000以上の「いいね」や数十のコメントが寄せられていました。特にオークランドの地元紙Auckland Nowのオンライン版ではFacebookのいいねが2,500を越え、コメントも200弱寄せられています。

もちろん全員が「木を切ってはいけない」と言っているわけではありません。
土地の持ち主への同情や、木に登った人に対して「目立ちたかっただけでしょ」と言った意見、もっと冷静に「そこまで騒ぐことか?」といったことも含んでいます。

そこで思ったんですけど、日本で樹齢500年の木が切られるとなったらニュースでどのくらい取り上げられるのでしょうか。
もちろん伐採反対をする人たちはいると思います。でも、今回のニュージーランドで起こったことほど大きく取り上げられることはないんだろうなと思いました。

それはきっと人口が30分の1で、日本ほど大きな事件やいろいろな問題が起こらないから、他にニュースがない、市民も他に関心を寄せるところがあまりないからなのかもしれません。

でも、それって見方を変えれば国民のあげる小さな声が他の人の耳に届きやすいと言うことです。20人の会社と600人の会社でどちらの方が1人1人の声が反映されるか?と同じです。

もちろん会社の場合も国の場合も、その舵を切る人の采配次第で600人の会社でも1人1人の声が反映されるところもあるでしょうし、20人の会社でも誰の声も反映されない場合だってありますけどね。

それにこれだけ規模が小さいと国民1人1人が国に参加している感じがします。
そういう何か手応えがあると言うのは良いことだと思います。日本は参政権が低いことが問題になっていますからね。

何だか取り留めのない話なんですけど、今日なんとなく感じたニュージーランドの良さみたいなものをニュースを通して紹介してみました。

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