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今、オークランドの一部の地域で見つかった合計たった4匹のハエが今ニュージーランドの国の農業どころか国全体を震え上がらせています。
「ハエなんてどこにでもいるじゃん」と思うような「たかがハエ」と思われてしまいそうなニュースなんですけど、もしこのハエが今後ニュージーランド国内で繁殖してしまったら、大変なことが起こるかもしれません。
今日はそんな「たかがハエ。されどハエ」なお話です。
ちなみに写真でハエが出てきます。そういうのが苦手な人は見てみないふりをするなどしてください。
繁殖したらとんでもないことになるハエ
先週1匹のハエが見つかりました。
そのハエはもともとニュージーランドには生息しないQueensland Fruit Fly、日本語だとミバエと言う種類のハエです。もともとオーストラリアのハエです。
このハエは農家にとってまったく歓迎される虫ではありません。
オーストラリアで大発生した場合の被害がもっとも大きく出る害虫の1つに指定されています。
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と言うのも、このマッチ棒の先端くらいのハエは、果物や野菜の中に卵を産みます。
そしてその中で孵化した幼虫(ウジ虫)は果物や野菜を腐らせて栄養にし、最終的にサナギ、そして羽化してハエになります。つまり卵を生まれてしまった野菜は売り物になりません。
実は3年前にも同じハエがニュージーランドで1匹見つかりました。そのときはオスの1匹で処理して事なきを得ました。ところが今回見つかった4匹のうち1匹はメスでした。しかも、成虫以外に幼虫が39匹見つかったそうです。
たった4匹なら良いんじゃない?と思う人もいるかもしれません。
ところがこのハエは1回の産卵で70くらいの卵を生むそうです。そのうちの9割が成虫になる前に死んでしまったとしても7匹が生き残ります。そのうちの3匹のメスと最初に卵を産んだ1匹のメスの4匹が卵を産んで…と計算すると大変なことになります。
調べてみるとFruit Flyの寿命は50日くらいとされています。
ただ生まれて10日後には成虫になって卵を生むことができるようになります。上で書いたサイクルで計算しても最初の50日で約6000匹まで増えることがわかりました。
しかもこの計算は卵を10日おきに生む計算なんですけど、実際は50日で500個くらい卵を産むらしいのでぺーすはもっと早いです。
もし大発生した時の被害は甚大
もうここまで増えたら誰も止めることはできなくなってしまいます。
もし大発生した場合、去年キウィフルーツ業界で行った試算だけでも4億3000万ドル、日本円で400億円の被害が出るとされています。
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しかしこのハエはキウィフルーツだけに感染するのではなく、柑橘系、モモ、プラム、チェリー、ナシ、アップル、ベリー系、ブドウ、フィジョア、パッションフルーツ、グアバなどの果物や、トマト、ナス、ピーマン、カボチャ、アボカド、オリーブなどにも感染します。
キウィフルーツだけで400億円と言っていたら、これだけ全部が被害を受けたら大変なことが起こってしまうわけです。しかもブドウはワイン産業にも大きな影響を及ぼします。
そこで今ニュージーランド政府は総出を挙げて、大発生するのを押させるべく動いています。発生源のGrey Lynnと言う地域一体の果物や野菜の出荷はすべて禁止され、地域一帯の人たちに説明すべく動き始めています。
最近怖いことが多いですね
今回のハエと言い、エボラ出血熱と言い、人類に甚大な被害を出すようなものが立て続けに発生しているような気がします。
それにすごい大寒波が来たり、熱波が来たり、大雨だったり、乾季だったり。なんだかいろんなことが起こっています。
ハエは目に見えるだけ対処の方法があるのかもしれないんですけど、それでもイヤですね。
オークランド、特にGrey Lynn近郊に住んでいるで果物や野菜を育てている人は気をつけましょう!
また普段見慣れないハエや果物、野菜に虫が発生していたらすぐにMinistry for Primary Industriesに連絡したほうがいいですね。
ウェブサイト http://www.mpi.govt.nz/ に報告する用の電話番号やメールアドレスが書いてありました。
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今後被害が広がっていく場合は続報をお届けしたいと思います。