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今日はニュージーランドにある数ある「世界初」のなかでも、大変な努力の結果として得ることができた「世界初」を紹介したいと思います。
その世界初というのは今回の記事タイトルの通り「世界初 女性の参政権を認めた国」です。
いったいどんな大変な努力があったのか、いろいろ紐解いていくと歴史の書物になる勢いなので、要点をパパっとまとめてみました。
世界で一番最初に女性の参政権が認められた国
1800年代当時、世界中で女性といえば「掃除や子育て、料理など家事をする人」と考えられていました。
今でもそう考えている人もいますけどね。でも、今とは比べ物にならないほど「男女」の差は激しいものでした。まさに「差別」でした。
ところが1800年代後半になると、裕福な家庭の女性が高校や大学へ進学するようになり、次第に女性の社会進出が進み、「女性の権利」というものがさまざまなところで取り沙汰されるようになりました。
そんな中、1893年(明治26年)にニュージーランドは世界初めて女性の参政権、正確には投票権が認められました。今から約120年前のことです。
被選挙権が認められたのはそれから26年後の1919年です。
当時、女性の参政権獲得に大きく活躍したのが10ドル札に載っている女性「ケイト・シェパード」です。
この女性ですね。
ケイト・シェパードはイギリスのリバプール生まれで、22才の時にクライストチャーチに移住してきました。その後、結婚→出産を経て、46才のときに「女性の参政権を認めるための署名活動」に貢献することになります。
細かいことを書くと伝記みたいに長くなってしまうので、ここでは彼女の生い立ちなどは触れずに、話を一気に投票結果まで飛ばします。
1893年7月。ニュージーランド全体を巻き込んで「女性に参政権(投票権)を認めるためのの署名が行われました。その結果、3.2万人もの署名が集まりました。今の日本でも3.2万人はそれなりに大きな数字かもしれません。でも、当時ニュージーランドの人口は男性34.5万人、女性30.5万人の合計65万人しかいませんでした。つまり人口の5%が署名したことになります。
日本で人口の5%といえば650万人です。そんな数の投票を自動車や電車なし、さらにテレビやインターネット、携帯電話がない状態で集めたんです。スゴイです。
その3.2万人もの署名のお陰で2ヶ月後に開かれた国会で「女性の投票権」が認められ、世界で初めて国レベルで女性の参政権が認められました。
ちなみに2016年の時点で、ニュージーランドの政治家の31%が女性議員です。これは世界で39番目です。
一番女性議員が多い国はルワンダで64%もありました。すごいですね。日本は10%で163番目です…
さらにちなみになんですけど、日本で女性の参政権が認められたのはニュージーランドで認められてから約55年後の1946年です。
歴史がない&小国だからこそできることなのかも
ニュージーランドは女性の参政権を認めた世界初の国であり、8時間労働を導入した世界最初の国であり、年金制度を導入したのも世界初だったりします。
女性の参政権でいうならイギリスが男女平等で参政権を与えられたのはニュージーランドより30年ほど遅い1928年です。2番目に早い国がオーストラリアで1902年、カナダ、ドイツが1918年、アメリカ、カナダが1920年です。
こういういろいろな先進的なことを取り入れて行けるのは、歴史がなく移民の人たちで築き上げた良い意味でしがらみがなく、そしてアメリカやカナダのように大国でないからこそなのかもしれませんね。
これからも世界に先駆けて良い社会づくりのためのいろいろな施策を行ってくれたらいいなと思います。
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出展
- New Zealand Official Yearbooks 1893
- Brief history – Women and the vote | NZHistory, New Zealand history online
- Proportion of seats held by women in national parliaments