Octoberはもともと8月だった?英語の「月」の謎

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今回はちょっとした英語のトリビアみたいな話を紹介します。

実はその昔 “October” は10月ではなく8月だったという話です。しかも今と違う月だったのは “October” だけでありません。”September” や “November”、さらに “December” も今とは違う月を表していました。

いったいどういうことなのでしょうか。少し掘り下げてみていきましょう。

この記事の目次

おさらい:各月を英語でなんて言う?

まず各月を英語でどういうのか、おさらいしておきます。
おさらいが必要ない方はここの件(くだり)は読み飛ばして次に進んでください!

  • 1月 … January
  • 2月 … February
  • 3月 … March
  • 4月 … April
  • 5月 … May
  • 6月 … June
  • 7月 … July
  • 8月 … August
  • 9月 … September
  • 10月 … October
  • 11月 … November
  • 12月 … December

中学校で1月から12月を習ったときなかなか覚えられなくて「4月はエイプリルフールがあるから “April”」とか「6月はジューンブライドの月だから “June”」と何とか覚えられたものの、「いつもMarchとMayは似てるからごっちゃになる」とか「9月から12月は最後が全部 ber だから順番が混乱する」という理由でなかなか覚えられなかった経験はありませんか?

子ども向けの歌で「ABCの歌」のように月の名前を覚える歌があります。歌の名前は「12 months」と言って(そのままですね…)口ずさむことで自然と覚えることができます。興味がある方はYoutubeの動画を見てみてください。

各月の由来:途中から命名が雑になる「月」

英語の各月には由来があります。
ちなみにこういった「由来」には必ず諸説あって、英語の月の名前の由来にも諸説あります。ここでは調べていく多く見られた説をピックアップして紹介します。

  • January 1月
    1年の始まり、入り口ということで「門、物事の始まりの神ヤヌス “Janus”」の月
  • February 2月
    古代ローマで毎年2月に執り行われた慰霊祭フェブルアーリア “Februalia” の月。
  • March 3月
    ローマ神話に出てくる「戦いの神マルス “Mars”」の月
  • April 4月
    ギリシャ神話の女神アプロディーテを起源とするApuの月とも、ラテン語で「開く」「開花」を意味する “aperio” から来たとも言われています
  • May 5月
    ローマ神話で豊穣を司る女神マイア “Maia” の月
  • June 6月
    ローマ神話で結婚生活を守護する女神ユーノー “Juno” の月
  • July 7月
    ユリウス暦という暦を作った共和制末期の政治家ユリウス・カエサル(Julius Caesar)に由来
  • August 8月
    ローマ皇帝アウグストゥス “Augustus” に由来

ここまでは各月の名前の由来は神様や政治家の名前から来ています。ところが、ここから名前の由来の雰囲気が一気に変わります。

  • September 9月
    「7番目の月」という意味
  • October 10月
    「8番目の月」という意味
  • November 11月
    「9番目の月」という意味
  • December 12月
    「10番目の月」という意味

気が付きましたか?おかしいですね。9月なのに「7番目の月」10月なのに「8番目の月」なんです。

実はもともと “September” は7月で、”October” は8月、”November” は9月、”December” は10月だったのが、ある事情で2ヶ月ズレてしまうことになりました。

“October” を分解すると”Octo”がラテン語で「8」で、”ber” は「月」という意味です。
同様に “September” は “septem” が「7」、”November” の “novem” は「9」、”December” の “decem” は「10」という意味です。

ところで “octo” と聞いて思い出す言葉はありませんか?
そうです。8本足のあの生き物「タコ」です。タコは英語で “octopus” と言います。これは足(pus)が8本(octo)あるから “octopus” なんですね。

他にも「8角形」は “octagon”、音楽用語の「オクターブ “octave”」はドからシの音は7音あって、次のドの音(8音目)で音階が上がることから「オクターブ “octave”」と言います。

余談ですが、”octo” だったり “octa” だったり変化するのは、ラテン語は次に続く名詞が男性名詞なのか女性名詞なのかで言葉が変化するからです。男性名詞が続く場合は “octo” で、女性名詞が続く場合は “octa” となります。

それ以外の月は「7角形」は少し古い言い方で “septagon” と言いました。他にも「9角形」は “nonagon”、「10角形」は “decagon”と言います。これらも “September” や “November”、”December” を彷彿とさせますね。

なぜ2ヶ月ズレてしまったのか

さて、どうして2ヶ月ズレてしまったのかを見ていきましょう。

もともとカレンダー(暦)は10ヶ月+αだった

紀元前750年頃に採用された初期のローマ暦では、1年の始まりは今で言う3月頃、1年は10ヶ月(304日)あり、残りの期間の61日は「何も日付が付かない日」というものでした。

こんな感じですね。

なぜ61日間も日付がないのか?というと、当時の暦は農耕暦だったため、畑仕事ができない期間(今の1月と2月)は日付の必要がなかったからと言われています。

ちなみに当時の人たちは1年が365日だと知らなかったので、厳密に61日だったわけではなく王が「今日から新年とする」と発表するかたちで新たな1年が始まりました。

「空白の期間」を割って2ヶ月追加された

その後、最初の暦ができて50年弱たった紀元前710年頃、空白の61日を2つに割った新しい月が2つ追加されました。この2つはJānuāriusとFebruāriusと名付けられ、その後何度か暦は改訂されましたが大きな変化がないまま550年ほど使われます。

大きな改暦が行われ現代の形に

紀元前150年頃、大きく暦が改められ、これまで今の3月頃が「1年の始まり」だったのですが、このタイミングで「年明け」が2ヶ月早まりました。これによって新しく加えられた2つの月が1年の始まりの月になりました。

ただこれでは「1月=1番目の月」が「1年の3番目の月」というややこしいことになってしまうので、順番が整理されます。

順番が整理されたことで新しく加わった2つの月が1月と2月に。そしてこれまで「1番目の月」だった “March” は3月、”April” は4月とズレていくこととなりました。

そして “September”、”October”、”November”、”December” は本来の意味より2ヶ月ズレたまま使われ続けることとなりました。

まとめ

本来何百年にもわたって起こった改暦を短くまとめましたが、なぜ “September”、”October”、”November”、”December” が2ヶ月ズレてしまったのかおわかりいただけましたでしょうか。

説明が少し長くなってしまったので、要点だけまとめます。

  1. もともとカレンダーは10ヶ月と「日付がない期間」が約60日あった
  2. 「日付がない期間」がなくなり、新しい月が2ヶ月作られた
  3. その結果、2ヶ月ズレた

ということでした。

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