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ニュージーランドの鳥といえば何を思い出しますか?
ほとんどの人が「キウィ」を思い出すか、もしくは「知らない」のではないでしょうか。
キウィってどんな鳥だっけ?という方のために画像を用意してみました。
特徴は羽がなくて、色は地味な茶色、他の鳥と比べて体の割に大きな足を持っていますね。
このキウィがどうしてこんな姿になったのか、マオリの昔話に書いてあったので紹介してみたいと思います。
昔々あるところに…
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昔々あるところに、タネ・マフタ(Tane Mahuta)という森の神様がいました。
タネ・マフタはある日、森の中を歩いていると森の木々が病気になっていることに気が付きました。そこで原因を調べていくと、大地が虫に侵されていることがわかりました。
そこで森の神であるタネ・マフタは、弟であり空の王様であるタネホカホカ(Tanehokahoka)に自分の子どもたち(木々)が根を生やす大地が、虫に侵されていることを伝え、その虫を駆除するために鳥の力を貸して欲しいと頼みました。
訪ねられた鳥たちの反応
空の王様であるタネホカホカは鳥たちに向かって「誰か空から降りて、虫たちを食べてくれないか?」と声を掛けましたが、誰も名乗り出てきません。
そこでトゥイ(Tui)に向かってタネホカホカは聞きました。
おい、トゥイ。木の上から降りて、地上の虫を食べてくれないか?
するとトゥイはこう答えました。
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嫌です。森の中は暗くて怖いから嫌いです。
そこでタネホカホカはプケコ(Pukeko)に尋ねました。
プケコ。木の上から降りて虫を食べてくれないか?
するとプケコはこう答えました。
嫌です。地面はジメジメしてるから、足を濡らしたくありません
鳥たちは自分たちの誰かが地面をむしばんでいる虫を食べないと、森の木々が死んでしまうこと、そして木が死んでしまったら、自分たちの住みかである森を失うことに気が付いていませんでした。
タネホカホカは最後にキウィに向かって他の鳥と同じように聞きました。
キウィ。木の上から降りて虫を食べてくれないか?
キウィはしばらく迷った末に
やります
と一言だけ答えました。
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今度は森の神であるタネ・マフタがキウィに聞きました。
キウィ。気が付いているかわからないけど、君たちが地面に降りて生活するに、地面にしっかり立てるよう、今よりも大きな足を持たなければいけない。
それと、外敵に見つからないようにするためにその美しい色をした翼を失う必要があるんだ。
そうするとどうなるかわかるね?君たちは2度と空を飛べず、2度と木々の上に戻って来ることはできなくなる。それを踏まえた上で、もう一度聞こう。
キウィ。木の上から降りて虫を食べてくれないか?
するとキウィは太陽を見上げ、他の鳥たちを見渡し、そしてこう答えました。
やります
その結果、キウィは今のような姿になり、森を守るために地面に降りて虫たちを食べる仕事を与えられました。
得るものと失うもの
空の王様であるタネホカホカは、鳥たちに向かって向かって言いました。
トゥイ。君たちには首のところに白い毛を与えよう。これは臆病の証だ
それとプケコ。そんなに足を濡らしたくないのか。だったら君たちは一生沼の周りで生活しなさい
そして最後にキウィに向かって言いました。
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キウィ。君たちは大地と森を守るために大きな犠牲を払ってくれた。その代わり君たちを最も有名で最も愛される鳥にしてあげよう
ニュージーランド昔話。面白い話があれば別の機会に
この話。もちろん僕が創作したものではありません。マオリに伝わる昔話です。
もう1羽、別の種類の鳥がでてきていたんですけど、あまり日本人には馴染みがないのでその部分はカットしました。
それと森の神様「タネ・マフタ」はニュージーランド北島で見ることできる現存する最大のカウリの木としても有名ですね。
こういう話。皆さん興味あるかな?どうかな?と思いつつ、でも、物は試しだ!と思って紹介してみました。
今後、今回の話の反響次第、それと面白い話を見つけられたら、別の機会に紹介して行ってもいいかな?と思っています。
ご意見ご感想聞かせていただけたら嬉しいです。